2007年09月04日00:00 カテゴリよんだほん 文豪の身内 「文豪の身内」の書いた本が好きで、見かけるたびに買っていたのは、日本にいたころのこと。 つまり教科書にでも作品の載るような作家や詩人の妻、息子、娘、さらには孫、まれに愛人が家庭人としての文豪の様子を書いた本である。 それらはみなそれぞれに面白いが、図抜けていたのは森鴎外の身内の本で、森茉莉、森類、森於菟がそれぞれに、よき家庭人、よき父としての鴎外を描いている。 文豪の身内であることによって、迷惑を蒙る場合もあって、萩原葉子は朔太郎の娘であったばっかりに、学校の作文の宿題で困ったというし、漱石の孫にあたる夏目房之介も文豪の身内であることの重苦しさを書いていた(なにしろ祖父の顔が紙幣になって日本中に流通しているのである)。 斎藤由香『窓際OL トホホな朝ウフフの夜』(新潮文庫)を読んだ。 週刊新潮に連載されていたときに、何回か読