旧中津藩出身の思想家・福沢諭吉(1835~1901年)の著書「学問のすゝめ」の初版本が中津市歴史民俗資料館で見つかり、30日、同市留守居町の福沢諭吉旧居・福沢記念館で特別公開が始まった。 「学問のすゝめ」は1872年、諭吉と門下生が英学校「中津市学校」の生徒向けに初編を出版。76年までに計17編となり、ベストセラーになった。 見つかった初版本は初編で縦18センチ、横11・5センチの24ページ。3月に元市立図書館長の今永正樹さんの遺族が寄贈した書籍など約1620点の中から発見された。 金属活字による活版印刷だが、明治期の技術は大量印刷になじまず、初編はほどなくして木版に切り替わったという。初版本は慶応義塾福沢研究センター(東京)など国内6か所で計8点が保存されており、今回の発見で9点目になる。 特別公開の会場には、比較できるように木版の再版本も展示。 10月2日まで。開館は午前9時~午後5時