10月中旬、富山県北部にある富山新港では、港いっぱいに並べられた中古車をクレーンで貨物船に積み込む作業が行われていた。船の行き先はロシア極東のウラジオストク。車種はさまざまだが、ロシアで根強い人気があるトヨタ自動車の「ランドクルーザー」などSUV(スポーツ用多目的車)が目立つ。 富山新港など3港で構成される伏木富山港は、ウラジオストク商業港と友好港の提携を結び、現在は月に14便のRORO船(搬入口から車両が自走して中に入れる船舶)が発着するなどロシアとの関わりも深い。ウクライナ侵攻後にロシア国内で自動車需要が強まったことで、定期便のRORO船でも捌ききれないほどの中古車が港に集まるようになったという。 ロシア向けは台数も単価も急上昇 「中古車輸出先でいま一番ホットなのは、ロシア市場だ」 日本中古車輸出業協同組合の佐藤博理事長はそう語る。今年1~9月の日本からロシアへの中古車輸出台数は前年同