同じ東京でも23区外にあたる多摩地域はその多くが戦後に開発されたベッドタウンとして発展してきた街だが、中央線や京王線、もしくは小田急線が走る多摩中南部とは打って変わって、しょぼくれた昭和なボロ団地や狸でも出そうな雑木林や田畑が広がり、埼玉同様に山田うどんのかかしがロードサイドで回っているような、21世紀の今の時代にも平然と田舎臭い光景が残っているのが多摩北部の西武線沿線の街である。 今回やってきたのはそんな多摩北部の鄙びた田園地帯が中途半端に残る地域に存在する「滝山団地」という場所。車で行く分には新宿から青梅街道へ田無へ、さらに新青梅街道を経て片道1時間もあれば来られる。しかし鉄道駅はとても歩ける距離にはなく、西武池袋線東久留米駅か、西武新宿線花小金井駅から西武バスに乗らなければならない。つまり陸の孤島と言われるような場所にある。 それにこの団地は東久留米市に属するが、同市内の中心となる東