高齢世帯や共働き世帯の増加を背景に、レトルトカレーの需要が高まっている。一方、家庭などで調理するカレールーの消費は減少傾向が続き、2017年にレトルトカレー市場の規模(購入額ベース)が初めてルー市場を上回った。メーカー各社は高齢者向け少量パックや、糖質や塩分を抑えた健康志向の商品などを次々と提案し、更なる需要拡大を狙っている。【今村茜】 長期保存できるレトルトカレーは従来、災害時の非常食として購入されることも多かった。11年の東日本大震災時にも非常食として買われ、これをきっかけにレトルトカレーの進化を知った消費者も少なくないという。エスビー食品の担当者は「久しぶりにレトルトを食べた人が昔に比べおいしくなっていることに気づき、日常食として購入するようになった」と指摘する。また、少子高齢化や女性の社会進出も需要拡大を後押しした。ルー…