LGBTQやアロマンティック・アセクシュアルなどセクシュアルマイノリティーへの理解は、社会で十分には進んでいない。記者は「少し立ち止まって、相手の可能性を想像してほしい」と願う=京都市中京区で2022年8月24日、山崎一輝撮影 「お前、いつになったら彼女できるんだよ」。飲み会の席で、そんな軽口をたたいた。男性同士で酒を飲みながら話せば、一度は耳にするような言葉。何てことのない一言が、相手を傷つけていることに気付かなかった。 当時、私(記者)は大学4年生。同級生で、恋人のいなかった聡太さん(仮名・24歳)に冗談のつもりで言った。実直な彼は友人たちから好かれていたが、恋人がいないことをよく「イジられて」いた。そのたびに、彼も笑ってやり過ごしていた。 「俺、恋人とか興味持てないねん」。どこか申し訳なさそうに明かしてくれたのは、かなり後になってからだった。
