Chim↑Pomという芸術作家集団の作品についてちょっとした議論が起こっている。発端は広島の空に飛行機を使って「ピカッ」という文字を出したのが、広島の方々の反発を食らったという事件である。(註:これは完成作品ではなく、これを使って映像作品を作るのが彼らの目的だった。) ネット上の反応 http://d.hatena.ne.jp/knakano/20081024 http://d.hatena.ne.jp/miminoha/20081026/1224958014 まぁ倫理的によろしくない作品をめぐってよくある話。ホントは俺見たいな若輩者が書くんじゃなくて、誰か美学の先生がきちんとまとめたほうがいいんじゃないかと思うけど、とりあえず首突っ込んでみる。長いよ。 まず、芸術の定義についてなんか議論が錯綜してるっぽいから、ちょっと美学的な基礎をおさらいしておきますね。 「芸術の定義は不可能」という考
「案内嬢プロジェクト」では、やなぎみわの作品の重要なモチーフである案内嬢を育成する短期集中ワークショップを開催し、あいちトリエンナーレ2013において案内嬢パフォーマンスを行います。 ク ラシカルな制服を身にまとった「案内嬢」たちは、やなぎみわが現代美術作家としてデビューした90年代後半の写真作品に登場する重要なモチーフです。近 年、やなぎが演劇を本格的に手がけるようになってからは、舞台上の演者の一人となって、ときには狂言回しとして劇中に登場します。ときには劇場の外で、文字通り「案内嬢」として観客をご案内します。「案内嬢」は、劇場空間と現実空間、フィクションと現実、イメージと身体とをつなぐ存在といえるでしょう。 ワー クショップでは、舞台俳優、ダンサー、話芸の専門家である講談師、アナウンサーらによる実践講座により、「案内嬢」にふさわしい言葉遣いと立ち振舞いを身 につけます。ワークショップを
Art + Auction’s Critic Doesn’t Think Much of the Record-Setting Art Buyers Snapped Up in June Souren Melikian is a smart man with a very good eye. But his approach to the art market can be so Olympian as to beg the question. High prices are adduced as signs of a buyer’s taste and discernment when he approves of a work, but a sign of cynical marketing or collector ignorance when he does not. In thi
◇ メディア・アートとしての映像 -自作に関わるノート - 飯村隆彦のメディア・アート ちなみに私は2006年マドリッドの国立ライナ・ソフィア美術館での「最初の世代:芸術と動く映像 1963-1986」展というビデオ・アートの初期20年あまりを特集する大規模な国際展に日本から唯一招待され、『FACE / INGS』(1974年)というビデオ・インスタレーションを展示した。この展覧会は主にビデオ・インスタレーションとテープ作品の歴史的な作品を回顧・特集するもので、ナム・ジュン・パイクやヴォルフ・フォステルの最初のビデオ・アート(1963年)から、またたく間に国際的に広がったビデオ・アートの重要な作品を網羅している。私の作品『FACE/INGS』は、1974年のパリ・国立近代美術館でのビデオ展に出品したもので、二台のカメラが距離を置いて向き合い、床面には双方向の矢印が描かれ、観客はその間に立ち
2008年08月17日22:50 カテゴリ美術史を学ぶための手引き 展覧会カタログの歴史 いささか古い原稿ですが(1994)、以前書いたことを思い出しましたのでご紹介します。愛知芸術文化センター・アートライブラリーの蔵書を紹介するために書いたものです。 展覧会カタログの歴史 展覧会には、通例カタログが刊行される。その形式はパンフレットに近いものから大部なものまでその機能に応じ千差万別である。ここでは、歴史的な視点から回顧される個展、あるいは特定の美術動向を扱う展覧会のカタログに限って、アートライブラリーの所蔵図書を通じ振り返ってみたい。 展覧会カタログの起源は17世紀フランスのサロンにおける展示作品リスト(リヴレ)にあるといわれる。現在では作家や美術団体の展覧会における出品目録がこれにあたる。しばしば序文が巻頭を飾ったり、図版が付されたりすることもある。グスタフ・クリムトの画業を回顧するた
現代美術(コンテンポラリーアート)が牽引(けんいん)する形で拡大を続けた美術品オークション市場に、「バブル崩壊」の兆しが出てきた。米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題の余波で、国内で有名作家の作品が一部で値崩れを起こしているためだ。海外のオークションは新興国のオイルマネーも取り込んでなお活況を呈している。だが、原油や金の相場下落を受け、「オークションは金融市場に連動する」との見方から、日本発のバブル崩壊が世界に広がる懸念も出ている。 ■ピーク時の半値以下 カボチャや水玉など独特の画風で知られ、日本を代表する現代美術家の草間彌生(やよい)さんの作品は、国内外のオークションで昨年前半をピークに数百万〜数千万円の高値を付けた。だが、「サブプライム問題が表面化した昨秋以降、下がり始めた」との声が出ている。「一時は300万円まで高騰した作品が、いま80万円くらい」と都内の大
お盆だというのに実家にも帰らず美術館通い。 それだけならまだしも、今日はプラス物欲も。 以前このブログでも紹介した、東京国立博物館オリジナルミュージアムグッズ『尾形光琳 風神雷神BE@RBRICK』が本日より発売となりました。 この度、東京国立博物館では、オリジナルミュージアムグッズとして、尾形光琳の風神雷神図屏風(重要文化財、東京国立博物館蔵)のBE@RBRICK(ベアブリック)を製作、販売することになりました。 BE@RBRICKは、世界20カ国で正式販売されているベア(熊)型のアーティスティックなフィギュア(造形物)で、今回のオリジナルグッズは、尾形光琳の風神雷神図屏風の2次元画像を、このベア型をベースに3次元(立体)化してポップに表現した商品に仕上がっています。 13:00からの販売ですが、混雑を予想し午前10時から、東博の西門にて整理券を配布。そこまでしなくても…と思いつつも一応
いやはや、雑踏や汗ばんだ人の臭気やお喋りの声に揉まれながら、他人の頭越しに覗くようにして絵を見るのは堪忍、と言うのは下劣で粗野で小学生並みのことなんですと。まあたぶん、暑さも人いきれも、絵の前で適当な距離をとって眺めることが出来ないことも全く苦にならないという、大層繊細なお方なんでしょうなあ。何しろ 大勢の見知らぬ人と感動を分かち合いながら観るのって素敵なことだと思うのですけど……今日なんて関西弁やら外国語やらが会場で飛び交いそれはそれは「賑やか」でしたよ。 というお方だから。いやあ、どうやって何を分かち合うの? 人の話に一々聞き耳を立ててるの? そういうことを平気で言えてしまう神経というのは相当に繊細なんでしょうな——絵は静かに口を噤んで見るもの、話すとしても囁き声で短く切り上げて他の鑑賞者の邪魔にならないようにするのが礼儀とは全く考えないくらいに(まあ昨今では、こういうことに気を使う人
若い世代が中心になって、音楽、映画、アート、デザインなど幅広いカルチャーを紹介し、そのシーンを盛り上げようと精力的に活動しているフリーCD/オンラインマガジンのCINRA Magazineが今号は「アートなんて解んない」という”つり”タイトルで、アートについて地に足のついた、幅広いアプローチで、アートを特集してくれている。編集長の杉浦さんから教えていただき、早速オンラインで読ませていただいた。 すばらしい森村泰昌さんのインタビューや、若い作家へのインタビュー、川村記念美術館のガイドツアーのレポートなど、多くの視点で、今号のタイトルへの答えを考えるきっかけを与えてくれる。音楽は毎日聞いているが、美術館にはほどんど行かない、ギャラリーなんて行ったことないといった若い人たちを読者として想定しているのだと思うが、同じ目線で丁寧に編集されている。アートに対するスタンスがちょっと穿っていすぎかなと思う
6月30日・7月1日に東京で開催される 「G8対抗国際フォーラム」出席のため、 「もうひとつの世界」では有名なパペット・ マスター、デヴィッド・ソルニットが、いま 日本に来ていて、こないだ大阪でパペット づくりのワークショップを開いた。ちなみに、 ソルニットというのは、こういう人物。 「デヴィッド・ソルニットは、シアトルでのWTO抗議の指導者のひとりで、何年も前から名前は耳にしていた。彼が主催する「アートと革命」のワークショップに参加した若いアクティヴィストたちは、敬愛の念をこめて彼のことをよく話していた。若者たちは彼から抗議のあたらしいアイデアをたくさんもらった。閉鎖された政府ビルの外でプラカードをふりまわすだけの軍隊式デモ行進にしないためにはどうすればよいか。どうすれば巨大なパペットやパフォーマンスにあふれた「抵抗の祭り」にできるのか。つまり、人が集まったり、花を植えたりできるパブリッ
紺屋2023の306号室「アート・ベース88」のメイン事業として「西天神芸術センター」(仮称)なるものを始めようかなと思っています。 ミュージアム・シティ・プロジェクトとして 90年代後半以降、何度もいろんなところへ提案してみたけれど なかなか実現しない「アートセンター」。 ギャラリーアートリエでは プチアートセンター機能的な活動もしていますが、今後の展開を考えて、もうちょっとガッツリやってみましょうか、そろそろ、てなかんじです。 大名アートセンター、ではなくて、「西天神芸術センター」という名前で すこしアヤシげに? 始動させようと思います。 よろしくお願いします まずは「準備室」名義でアートレクチャーシリーズを計画中です。 MCPがやってきた「天神芸術学校」を ゆったりめにやっていくカンジですね。 かつての「IAF特別講座」シリーズ(1990年代後半)みたいな。 第1回は「冷泉荘」「紺屋
つい最近、米国のシンクタンク、アーバン・インスティテュートが2003年に公表した研究成果の中に、興味深い結果があることを知った。米国では「国民の96パーセントが、自分たちの地域や生活における芸術の必要性を認める一方、芸術家の重要性を認めるのはわずか27パーセントだった」というのであるi。 日本で同じような調査が行われているかどうか定かではないが、芸術やアーティストに対する認識は、この米国の調査結果とさほど変わらないのではないか。日本でも、芸術や文化は重要だ、ということに異を唱える人は少ない。しかし、その芸術を生み出しているアーティストという存在の重要性を認識している人はどれぐらいいるだろう。芸術作品というプロダクトを生産するために、アーティストが働いているという事実には、大半の日本人は無関心だと思うのである。 国勢調査によれば、2005年の日本のアーティスト人口は約31万人ii。就業者総数
※5/8、若干の加筆があります。 混乱の二重奏【書評】『アーティスト症候群』【広告】その1 - こころ世代のテンノーゲーム 混乱の二重奏【書評】『アーティスト症候群』【広告】その2 - こころ世代のテンノーゲーム 本をお送りしてからの10日近く、「いつ書評が出るんだろー。速水さんの本を酷評してたからあのレベルは覚悟せねば」と毎日頻繁にumetenさんのとこを見てました。ということをご存知故かどうか知りませんが、トラックバックくらい送って下さい。 で、これまでネットでも紙媒体でも、共感、賛同、反発、批判を含めてさまざまな感想、書評を目にしてきましたが、手厳しい評ながらもっとも本書の根幹のところに目を向けようとしている文章だと感じました。 真摯に受け止めて頂き、心から御礼を申し上げます。ありがとうございました。 ただ根幹に言及しようすることでかえって、umetenさん自身が「アートとは何か」と
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