「北条鉄道にキハが来たら人気がでるやろな」 北条鉄道長(おさ)駅のボランティア駅長、浦浜晃彦さん(63)=兵庫県姫路市=は、幼なじみの鉄道写真家、故野沢敬次さん=大阪府池田市=と何度も話していた。池田市に住んでいた小中学生の頃、長期休暇には香寺町の親戚宅に野沢さんと泊まり、近くのJR播但線溝口駅でSL列車の写真を撮っていた。 「懐かしい播但線の風景が残っている北条鉄道に、『国鉄顔』のキハが似合うと思ったんでしょうか」。浦浜さんは、61歳で亡くなった親友を思い浮かべた。 中学2年で香寺に引っ越すと、野沢さんとは徐々に疎遠になった。交流サイト(SNS)で名前を見つけ、2012年1月、40年ぶりに再会。野沢さんは鉄道写真家になっていた。 カレンダーや絵本などに列車や鉄道の画像を提供。全国のローカル線を巡り、北海道の雪原を駆けるディーゼル列車や黒煙を上げるSL列車などを撮影していた。「子どもの頃の