日本列島に広く王権を広げて、やがて飛鳥時代・奈良時代へと発展していく大和王権に私たちは目が行きがちですが、古墳を造り始める3世紀の東日本にも注目するべき遺跡があります。 ■道路工事現場から発見された高尾山古墳が示す古代史解明の可能性 日本列島に国を開いた大和王権の履歴は、『古事記・日本書紀』の主役ですから、わが国の古代史を研究するとき、どうしても近畿地方から西の地域が主体になる傾向にあります。 それは致し方ないことですしその研究は本道ともいえますが、四国や北陸、東海・関東から東日本の研究は、それぞれの地域では進んでいても体系的全国的にはあまり勢いを感じないような気がします。 しかしながら開発が進むと、どこにでも思いもしない大発見があるのが考古学の醍醐味です。最近の調査研究で、静岡県沼津市の道路工事現場から発見された全長約62mの高尾山(たかおさん)古墳に私は注目しています。 慢性的な渋滞解