「映像研には手を出すな!」浅草氏が目指す“最強の世界”とは? アニメ版のテーマを探る【藤津亮太のアニメの門V 第55回】 『映像研に手を出すな!』第1話「最強の世界!」は、アニメ『映像研』が何を描く作品なのかが、見事なぐらいギュッと圧縮されて描かれていた。 高校1年の春、浅草みどりはアニメ研の上映会で起きた事件をきっかけに、カリスマ読者モデルの同級生、水崎ツバメと知り合う。 子どもの頃、配信でTVアニメ『のこされ島のコナン』(見ればわかる通り『未来少年コナン』のことだ)を見て以来、アニメを作りたいと思っていた浅草。そしてアニメーター志望の水崎。 ここに浅草の旧友でプロデューサー気質の金森さやかが加わり、3人は「映像研」を発足させる。 こう書くとまるで「部活もの」のようだが、本作は「部活もの」とは言いづらい。「部活」というのは、いつか終わる学生時代、つまり「時間」というものと結びついている。