裁判員裁判で初めて死刑が求刑された耳かき店員殺害事件の判決公判が東京地裁であった。女性2人が殺された事件で判断が注目されたが、判決は極刑を回避し、無期懲役を選択した。 裁判員らの結論は悩んだ末の苦渋の判断といえる。今後も死刑求刑の裁判員裁判が全国で控えており、裁判員の精神的負担をどう克服していくかが課題となる。一方で被害者遺族らの感情がどこまで反映されたかも問われよう。 事件の被告は昨年8月、耳かき店員の女性と祖母の2人を刺殺したとして殺人罪などに問われた。被告は起訴事実を大筋で認めており、争点は量刑をどうするかに絞られていた。 「極刑にしてほしい」という遺族の強い願いを反映させて死刑とするか、「事件後、被告は反省している」と極刑回避を求める弁護側に理解を示すか。女性4人と男性2人の裁判員計6人が審理に加わり、5日間の公判と評議を重ねて結論を出した。 評議では、死刑選択の参考基準とされてき