萩生田光一文科相(ロイター/アフロ) 新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、安倍晋三首相が打ち出した「全国すべての小中学校、高校の臨時休校要請」。衝撃の一夜が明けた東京都霞ヶ関の官庁街では、早朝から赤い目をこすりながら登庁してくる文部科学省職員の姿があった。突如として厚生労働省から文部科学省にまで拡大した“コロナ防衛線”の拡大を受けて泊まり込んだ職員も多いという。みな一様に口は重く「想定を超える拡大方針です。とにかく官邸に聞いてください」「何も言えないことになっている」「現段階では何も言えない。どこで何が決まったのかもわからない」と足早に通り過ぎていく。 岩盤規制撤廃、官僚主導の政治脱却を目指した現政権。「スピード感のある政策実現」「決められる政治」の結末がこれだ。全国の教育現場で混乱が広がるなか、事態を掌握できていなければいけないはずの文科省ですら、この異常な状況に翻弄されている。