※近江鉄道線「血風録」シリーズの過去記事は、最終ページにリンクがあります。あわせてお読みください。 (土井勉:一般社団法人グローカル交流推進機構 理事長) >>近江鉄道・ローカル線の写真や図表はこちら(16枚) 1.「報告書」に対する沿線自治体の反応 手を打たねば、近江鉄道線の営業損失は膨らんでいく。バスに転換すれば、初期投資に30億円ものコストがかかるうえに赤字の解消には至らない。BRTやLRTへの転換も、またしかり。とあらば、公有民営方式(上下分離方式)に切り替えての鉄道存続はどうか――。
![近江鉄道、覚悟の「48億円損失計上」ローカル線存続を賭けた背水の戦略とは 【近江鉄道線「血風録」⑧】焦点は「存廃」から「存続方式」へ、続く白熱議論 | JBpress (ジェイビープレス)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d33a96c895a0a1d12b3550109bdaaa7e69b22ae8/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fjbpress.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F3%2F5%2F1200mw%2Fimg_35f028aa0b7e3818e4d2939ca989aa673852406.jpg)
※近江鉄道線「血風録」シリーズの過去記事は、最終ページにリンクがあります。あわせてお読みください。 (土井勉:一般社団法人グローカル交流推進機構 理事長) >>近江鉄道・ローカル線の写真や図表はこちら(16枚) 1.「報告書」に対する沿線自治体の反応 手を打たねば、近江鉄道線の営業損失は膨らんでいく。バスに転換すれば、初期投資に30億円ものコストがかかるうえに赤字の解消には至らない。BRTやLRTへの転換も、またしかり。とあらば、公有民営方式(上下分離方式)に切り替えての鉄道存続はどうか――。
麻布台ヒルズの遠景。左奥が森JPタワーで、手前左がガーデンプラザB、奥中央がレジデンスA、右がガーデンプラザAとなっている(写真:森ビル提供) GXの概念がない時代から「緑化」を推進してきた森ビル 11月24日、東京都港区に「麻布台ヒルズ」が開業した。麻布台ヒルズは大手デベロッパーの森ビルが大規模再開発によって誕生させた街で、その区域面積は約8万1000m2、延床面積は約86万1700m2にも及ぶ。 森ビルは東京都心部に高層ビルを建てるデベロッパーというイメージが強い。そのイメージは決して間違っていないが、その一方で昔から緑化・公開空地・交通動線の整備に力を入れるデベロッパーでもある。 森ビルが推進してきた緑化は、2020年9月に発足した菅義偉内閣がカーボンニュートラルを打ち出したことで注目されるようになった。その延長線上の政策として、経済産業省が音頭を取る形で官民一体によるGX(グリーン
太平洋戦争後にGHQによって解体された帝国陸海軍は、自衛隊として生まれ変わりました。その自衛隊の幹部養成機関である防衛大学校は1952年に設立(当時は保安大学校)。 戦前の日本では陸海がそれぞれ士官学校を持つスタイルを取っていましたが、それが無駄な縄張り意識と対立構造を生んだという反省から、当時世界で初めての陸海空の仕官を同じ学び舎やで育てる「統合型」の士官学校を作りました。 その初代校長に指名された人物は、軍人ではありません。オックスフォード大学で学んだ経験があり、イギリス憲法史が専門の政治学者・槇智雄(まきともお)氏でした。元慶應義塾大学の教授です。指名を受けた槇氏は学校設立の準備にあたって各国の士官学校を視察し、戦後の日本に合った士官学校とはどんなものか必死に考えたそうです。 自衛隊とイギリスと慶應。なんとなくミスマッチな印象を受けるかもしれません。しかし、自衛隊は帝国陸海軍が犯した
ブックコーディネーターの内沼晋太郎さん。東京・下北沢にある独立系書店「B&B」を立ち上げた。B&Bは、連日、有料イベントを開催。ビールを飲みながらイベントや本探しを楽しめるというユニークな書店である 出版の世界では知らぬ人のいない名著『だれが「本」を殺すのか』(佐野眞一著、プレジデント社)。2000年代初頭に発売された本書は、出版不況の実態と本質について多角的な取材を重ねて描かれている。本書の発売から20年以上が経ち、本を取り巻く世界は一層厳しさを増している。だが、一方では救いもある。かつては想像もしなかった動きが、あちこちで生まれているからだ。日本各地の書店が消える中、「本を売る」挑戦を続けて書店業界を変えようとしているのが、ブックコーディネーターの内沼晋太郎だ。内沼は、本の世界をどのように変えようとしているのか。(本文は敬称略) 【これまでの連載記事はこちら】 ◎第1回 書店業界と決別
そのため、武将らは多くの女を娶り、子供を産ませた。 家を存続させるための政略結婚とは、国同士の同盟関係を強化し、戦争回避、侵略の推進、結婚相手の君主の継承権を得る、経済的支援などを目的とする。 政略結婚で嫁いだ女性は、大事な人質でもあった。 当時、恋愛結婚などは非常に稀で、武将は側室には好みの女性を選ぶことができたが、正室は結婚式の当日に初めて顔を合わすのが一般的だった。 戦国の世は完全な男社会で、女性は政略の手段、子を産むための道具であり、女性が相手を選ぶ権利などなかった。 当時、成人とみなされたのは第2次性徴の頃で、男子は精巣が大きくなり生殖器が成熟する11歳頃。女子は乳房が発育し始め初潮を迎えた10歳頃である。 男子は元服を迎えると、大人として戦の初陣を飾り、妻を迎える準備を整えた。 一方、女子は成人した証として、初めて裳を着せる儀式・裳着(もぎ)が10代の前半頃に行われた。 当時、
(城郭・戦国史研究家:西股 総生) 写真を撮るだけではもったいない 1590年(天正18)の小田原攻めの際、徳川家康が築いた陣所の跡が小田原の市街地に、ひっそりと残っているのをご存じだろうか。 小田原駅の東口から城東車庫行のバス(1時間に2本くらい)に乗って、今井というバス停で降りる。バス停のすぐ横にある看板の所から小道に入るとあっさり到着。東照宮の小さな社があって、その前に「徳川家康陣地跡の碑」と説明板が立っている。
(町田 明広:歴史学者) ◉千葉県の誕生150年―廃藩置県と房総の特殊事情① 維新後に転封された諸藩 千葉県が誕生してから、2023年は150年の節目である。前回は明治維新前後の房総の状況を、府藩県三治制によって誕生した宮谷(みやざく)県、葛飾県を中心に述べたが、その他に25藩が存在していた。その中には、明治維新後に移動させられた諸藩も含まれる。まずは、その事情を確認しておこう。 江戸幕府の瓦解後、15代将車徳川慶喜が隠居し、後継者の徳川家達は府中(静岡)藩70万石を立藩した。徳川宗家(旧将軍家)は、一大名家の立場に転落したことになる。その影響を受けて、玉突きのように移動を余儀なくされた駿河・遠江両国内(現静岡県)の7藩は、旧幕府領が多く分布し、代替地の取得が容易な房総地方へ転封させられたのだ。この処置は、各藩自らの意思でなく、新政府による強制的な施策の一環であった。 その他、明治以降に房
旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)に対する解散命令を日本政府が東京地裁に請求した。昨年7月、教団の悪質な献金強要によって家庭が破壊されたことに恨みを抱いていた統一教会2世信徒の山上徹也被告によって安倍元首相が暗殺され、日本中を揺るがしてからおよそ1年3カ月後のことだった。 今回の解散命令請求は、日本信徒による献金が教団財政の大部分を占める韓国の統一教会にも甚大な影響を及ぼすことになる。 「君たちだけが日本を救い、世界を救う“特攻隊”だ」 解散命令に向けた日本での動きに対し、韓国の統一教会は活発な動きに出ている。 韓国のオカルト宗教の告発記事を専門にしている宗教雑誌『宗教と真理』によると、9月17日、統一教会は韓国・京畿道加平郡にある清平本部内の清心平和ワールドセンターで日本の2世信者を対象にした「神日本未来世代総会」という集会を開いた。 この席で、教主の韓鶴子(ハン・ハクチャ)氏は、日
韓国のサムスン電子とSKハイニックスは、米国政府による特別の承認を得ることなく、米国製半導体製造装置を、それぞれが中国に持つ工場に導入できるようになった。ロイター通信や米ニューヨーク・タイムズなどが10月9日に報じた。 安堵するサムスンとSK それによると、韓国大統領府の崔相穆(チェ・サンモク)経済首席秘書官は、「韓国の半導体企業の中国での事業活動や投資に関する不透明感が大幅に和らいだ。彼らは、長期的なグローバル経営戦略を落ちついて追求することができるだろう」と述べた。 韓国大統領府によると、米商務省はサムスン電子とSKを「検証済みエンドユーザー」リストに指定した。このリストに加えられた企業は、個別の輸出案件について米政府から許可を得る必要がないという。 世界首位・2位の半導体メモリーメーカーであるサムスンとSKは中国の製造施設に数十億ドル(数千億円)を投資しており、今回の措置を歓迎してい
背景の一つに、大阪万博不調の報道と、それによって道民の反対が広がった経緯などもあるようです。 力学には作用反作用の法則があります。 それと同じように札幌五輪断念を期に、大阪万博も見直すべきではないか、というのが本稿の趣旨になります。 四面楚歌の「大阪万博」 しばらく前になりますが、何ともはやな全包囲状況を目にしました。 日本経済新聞がヘッドラインを打って、「日本共産党大阪府委員会」が「万博中止を求める声明を発表した」ことを報じたのです。 あえて言えば、日経は中道ないし体制側の見解を報じる場合が少なくない、ソロバンに則して合理的なメディアだと思います。 その日経が「共産党大阪府委員会」の声明として「会場建設費の上振れや建設準備の遅れなどを指摘し『国民が物価高で生活にあえぐなか、事業をやめなければ負担をさらに強いられることになる」と報じている。 そのうえで「運営主体の日本国際博覧会協会(万博協
共和党の第2回公開討論会を欠席しミシガン州の自動車関連企業を訪問し講演したトランプ前大統領(9月27日撮影、写真:ロイター/アフロ) もはやレーガン時代の共和党ではない 来年11月の米大統領選に向けた共和党の第2回候補者討論会が9月27日夜(日本時間28日午前)、カリフォルニア州ロサンゼルス郊外シミバレーにあるレーガン大統領記念図書館で開かれた。 討論会の模様は保守系FOXニュース傘下のFOXビジネスで全米に中継された。 世論調査で首位のドナルド・トランプ前大統領は1回目の討論会に続いて欠席した。 討論会には、参加要件を満たしたロン・デサンティス・フロリダ州知事、ニッキー・ヘイリー元国連大使ら7人がトランプ氏に代わり得る候補として存在感を示すため議論を戦わせた。 論議はメキシコ国境問題、移民、犯罪、経済、外交問題に及んだが、中国の軍事的、経済的脅威が内政経済と絡めて取り上げられた。 7人と
【近江鉄道線「血風録」シリーズはこちらから】 ◎地域鉄道の96%が赤字…コロナ後のローカル線にいったい何が起きているのか? ◎鉄道事業はまるで“鈍重な牛” 激変期のローカル線「存続」の打ち手はこの2つ ◎ローカル線危機、ななつ星デザイナーによる異例のイラストに見た国交省の本気 ◎まるでアニメな駅舎、懐かしの硬券…味わいある近江鉄道が迎えた存続の危機 ◎ローカル線・近江鉄道、22期連続赤字の末に挙げた白旗…そして沿線自治体は? (土井勉:一般社団法人グローカル交流推進機構 理事長) 険阻な3年間 これ以上の鉄道存続はもう難しい――。 近江鉄道が「民間企業の経営努力による事業継続は困難」との“ギブアップ宣言”をしたのは2016年6月だった。そこから、滋賀県・沿線10市町・近江鉄道の各者が存続についての方向感を共有し、活性化再生法に基づく「法定協議会」を設置するに至ったのは2019年11月。この
2022年7月8日、奈良県奈良市の大和西大寺駅北口付近で、安倍晋三元首相が銃撃され、その日の夕方に息を引き取った。現行犯逮捕された山上徹也容疑者は、事件の前日、ルポライターの米本和広氏へ宛てた手紙に「苦々しくは思っていましたが、安倍は本来の敵ではないのです」「あくまでも現実世界で最も影響力のある統一教会シンパの一人に過ぎません」と書いていた。 山上徹也とはどんな人間で、何を考えていたのか。『「山上徹也」とは何者だったのか』(講談社+α新書)を上梓し、事件前に山上からSNSでメッセージを受け取っていたジャーナリストの鈴木エイト氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト) ──安倍晋三元首相を銃撃して逮捕されるまで、山上徹也がどんな人生を歩んできたのか、教えてください。 鈴木エイト氏(以下、エイト):彼は大阪府東大阪市で生まれました。4歳の時に父親が自殺し、奈良市内の母親の実家に引っ越
そうした中、河野太郎デジタル大臣は2023年9月22日のオンライン会見で、タクシーに関する規制緩和やライドシェア導入に向けて議論するべきだといった、新しい交通システムのあり方について前向きな姿勢を示した*1。その前には、神奈川県の黒岩祐治知事がテレビの報道番組で日本版ライドシェアに関する持論を展開したところだ*2。 *1:ライドシェア解禁「積極的に議論したい」 河野デジタル相(9月22日付、日本経済新聞) *2:黒岩知事がライドシェア導入構想 有償で自家用車相乗り、タクシー会社と連携(9月17日付、産経新聞) ここでいうライドシェアとは、普通免許しか所持していない人が、旅客運送用ではない普通乗用車をタクシーのように使って収益を得るビジネスモデルを指す。背景には、京都などの観光地や、人口が少なく交通の不便な中山間地域でタクシー不足が社会課題となるケースが目立つようになってきたことが挙げられて
(数多 久遠:小説家・軍事評論家、元幹部自衛官) 9月22日、ロシアが占領しているクリミア半島南西部の都市、セヴァストポリに置かれたロシア黒海艦隊司令部が巡航ミサイルによって攻撃、破壊されました。 ウクライナ軍参謀本部が、この攻撃がウクライナ空軍機によるものであり、イギリス製巡航ミサイル「ストームシャドウ(Storm Shadow)」を使用して実施されたものであることを認め、攻撃の態様がかなり分かってきました。 以下では、今回の攻撃がどのようなものであったのか概括し、なぜ攻撃が成功したのか考えてみたいと思います。 ウクライナが実施した攻撃とその理由 作戦には、ウクライナ空軍のSu-24戦闘爆撃機が使用され、イギリスから供与された巡航ミサイル、ストームシャドウが使用されています。 ウクライナ軍参謀本部の発表によると、着弾時の映像が流れたことで注目を集めた黒海艦隊司令部だけでなく、防空ミサイル
バイオマス発電といえば、コストが高いので、これまでは政府の定めた再生可能エネルギー全量買い取り制度によって推進されてきた。だがここにきて、コストが低く、政府による支援がなくても発電事業ができるのではないか、という技術が登場しつつある。 ソルガムを用いた発電だ。ソルガムは日本名では「高粱」と書いて「たかきび」ないし「こうりゃん」と呼ぶ。サトウキビに似た丈の高い草で、茎は甘く、イネのような穂をつけ、その実は食用になる。穀物として世界中で栽培されており、中国の蒸留酒白酒(バイチュウ)の原料にもなっている。そのソルガムを用いて発電するのだが、ここ数年で重要な技術進歩があった。 (杉山大志:キヤノングローバル戦略研究所研究主幹) 日本には膨大な品種改良技術の蓄積がある これまでのバイオマス発電は、木材のチップや農業廃棄物などを燃料にしていた。だが、石炭などの化石燃料に比べて、いくつか問題があった。大
4月13日、大阪・夢洲で開かれた万博会場の起工式に登場した岸田文雄首相と、大阪万博公式キャラクターのミャクミャク(写真:新華社/アフロ) 大阪の大手設計会社の幹部も記事の感想をこんなふうに話してくれた。 「これまでは万博協会に遠慮していたので、言えなかっただけで、書かれていることは本当のことです。協会のやる気のなさ、だれが船頭なのかも分かりにくい運営がこの事態を引き起こしたと思っています。それをズルズルと引っ張った結果、資材高騰とウクライナ・ロシア戦争も起きてニッチもサッチも行かなくなったということです。 運営の責任は全て協会側にあるにもかかわらず、入札をしないで海外パビリオンへの建設申請を出せない建設業界を悪者に仕立てる空気まで作っていますからね。中止説もあるようですが、1年延期が現実的でしょう」 読者からは「万博を中止したらいいのではないか」という意見も寄せられているし、今となって万博
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