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ブックマーク / yamaguchijiro.com (52)

  • 民主党という実験の終わりと瀬戸際の政党政治 | YamaguchiJiro.com

    1 政治の現状 政権交代から丸3年たち、政局は選挙準備の状態に入っている。政権交代の高揚は遥かかなたに消え去り、政党政治に対する幻滅感だけが広がっている。お先真っ暗の民主党からは、生き残りを図る政治家が次々と逃げ出し、新党への合流を画策している。自民党政権を倒したはずの民主党はもはや政党の体をなしていない。今更これを非難しても詮無いことである。ここでは、まず政権交代がもたらした成果や変化を確認しておきたい。 今から振り返って気づくのは、現代日においては、民主主義によって選ばれた内閣が統治の主体ではなく、民主党が政権を取ったことによって来の統治者が結構あわてたということである。私は、陰謀論は好まないし、全体を見渡して支配している単一の権力者が実在しているわけではないと思う。かつて丸山真男が満州事変以後の日戦争政策の決定過程について指摘したように、首謀者が壮大な構想を持って戦争を進めた

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    kechack 2012/09/03
  • 社会民主主義とは何か | YamaguchiJiro.com

    参議院選挙に向けて各党の政策が打ち出された。特に目を引くのは、民主党が昨年の総選挙で封印していた増税の議論を正面に出した点である。これについては、約束違反だという批判も当然出てくる。それにしても、日で福祉国家を整備するという理念に照らせば、政策論議が進んでいるという肯定的な評価をしたいと、私は考えている。 今年度予算は、財源が極めて乏しい中、子ども手当や公立高校の無償化に踏み出した。これは政権交代の大きな成果である。誌編集部を含め、左派、進歩派の中でこの種の政策にいちゃもんをつける人々もいるが、自民党時代の冷酷な政府の方がよかったとでもいうのだろうか。理想的な政策は一夜でできるものではない。まず現金給付の仕組みを作り、保育等のサービスを拡充するという段階を踏むのは当然である。 しかし、今の財政状況を見れば、この種の積極的な社会支出を維持することが不可能であることも明らかである。そこで、

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    kechack 2010/06/29
    サヨのオピニオン紙で増税なき福祉国家を標榜する社民党を批判し、消費税アップに舵を切った菅直人に期待する山口二郎。インテリ左派には消費税増税論者は少なくない。
  • 政権交代で何を変えるのか | YamaguchiJiro.com

    1 自民党政治の終わり  わずか四年間で何が変わったのか 東京都議会選挙の敗北を契機とする自民党の内紛は、この党に対する国民の不信を決定的なものにした。もはや総裁を変えたくらいでイメージを転換できるような状況ではない。今回の自民党の危機は、国会開設と政党政治の創始、普通選挙制の導入と無産政党の誕生、五五年体制の成立に並ぶ、数十年に一度という政党政治システムの変革を意味している。 戦後の日では国民主権と議院内閣制が確立し、形式的な民主主義は早い段階から整えられた。しかし、一九五五年以後、自民党が唯一の保守政党として政権を担い、予算や権限など政府が持つ資源の配分を管理することで、党の生命力を維持してきた。官僚機構も、利益集団も、メディアも、自民党が唯一の政権政党であることを自明の前提として行動してきた。そうすると、形式上複数政党制が存在しても、日政治には旧ソ連のような一党独裁と似たような

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    kechack 2009/08/17
  • 無駄のない国? | YamaguchiJiro.com

    民主党のマニフェストが発表され、財源問題が大きな争点になっている。民主党は無駄を省くことでかなりのお金を調達できるとしている。私は、これを非現実的とする自民党とは違った意味で、民主党の主張に疑問を持っている。結論から言えば、無駄がゼロの国なんかには住みたくないということである。 だれがどう見ても無駄という経費は、実はそう多くない。政策の無駄とは、ほとんどが相対的なものである。無駄の典型のように言われている道路にしても、地元には切実に必要だと信じている人がいる。何が無駄かをめぐる論争は、価値観の違いを反映したものになりやすいので、簡単には答えが出ない。また、出すべきでもない。 民主政治においては、無駄をめぐる議論には、答えを出しきれない曖昧な部分が残るのが当然である。無駄を撲滅することを徹底するならば、たとえば終末期医療にかけるお金など無駄だということになるだろう。過疎地や高齢者、障害者など

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    kechack 2009/08/05
    山口二郎はガチンコな「大きな政府」論者だからね。増税して社会保障を充実。でも民主党はおろか、社民、共産も増税に反対。社会保障重視で増税派の政治勢力って皆無なんだよね。
  • 鳩山民主党は政権を取れるか | YamaguchiJiro.com

    一九九三年の細川連立政権の誕生からこの夏で一六年である。一六年といえば、ペリーが浦賀に来航してから明治維新まで、第二次世界大戦の敗北から六〇年安保までとほぼ同じ長さで、日政治もずいぶん遠回りしたものである。今の学生と話してみると、非自民連立政権の誕生さえ歴史になっていることに、改めて自分の加齢を感じる。 束の間の政権交代からしっかり教訓をくみ取ったのは自民党の方で、他党を引き込みつつ、曲がりなりにもその時々の課題に応え、今日まで権力を維持してきた。民主党は生まれて十年以上になるが、日政治の回り道は、民主党の回り道と重なる。 なぜこんなことになったのかといえば、二大政党がかみ合った対決の構図を作れてこなかったからである。自民党にとっては権力を維持することが至上の目的であり、政策は方便でしかない。その裏返しで、民主党は政権交代を叫ぶが、政権を取ることによってどのような日社会を作り出すか具

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    kechack 2009/06/05
    。自民党にとっては権力を維持することが至上の目的であり、政策は方便でしかない。その裏返しで、民主党は政権交代を叫ぶが、政権を取ることによってどのような日本社会を作り出すか具体的なイメージを語れない。
  • 「正義の味方」の愚かさ | YamaguchiJiro.com

    過日、久しぶりに「朝まで生テレビ」に出て、民主党と小沢代表の進退について議論した。ゲストの政治家が言ったことは予想通りであったが、唯一失望したのは共産党議員の発言だった。彼は、検察の立件が百%正しいという前提をみじんも疑わず、小沢の金権腐敗を糾弾していた。 それが官憲の弾圧と闘った輝かしい伝統を持つ共産党の議員が言うことかと、私は呆れ、がっかりした。敵対する政党が検察に弾圧されるのは、対決する側にとってはざまを見ろという感覚なのかも知れない。しかし、いまこそ政治家は党派を問わず、明日は我が身という感覚を持つべきである。 共産党は言うに及ばず、今の与党だって、仮に政権交代が起これば、検察や警察の弾圧を受ける側に回るのである。来は、民主党対検察ではなく、議会対検察という構図で、検察の責任を追及すべきである。 我々は何よりも、検察が正義の体現者だという錯覚を捨てなければならない。検察も所詮は劣

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    kechack 2009/04/15
    それが官憲の弾圧と闘った輝かしい伝統を持つ共産党の議員が言うことかと、私は呆れ、がっかりした。
  • 長期政権末期の光景 | YamaguchiJiro.com

    先週1週間、講演や調査のため、イギリスとドイツを回った。特におもしろかったのは、イギリスと日政治状況がよく似ていることである。イギリスの場合、与党の労働党は思想的には自民党とは反対で、長期政権と言っても12年である。しかし、進歩を売り物にする労働党も、十年以上権力の座にあれば、政権維持それ自体が目的となり、最近の経済危機に対しても大胆な政策を打ち出す能力を失ったようである。人心も離れ、1年以内に行われる総選挙では政権交代が必至と言われている。 この困難な時代に政権を担うというのは、来大きな重圧となるはずである。それに耐えて、国のために何かをしたいという気概や責任感が伝わってくれば、国民もいたずらに政治家を責めるばかりはしないはずである。 政治家自身は、権力にしがみついているつもりはないのであろう。しかし、自分たちの間違いを反省せず、これから権力を使って何をしたいのか明確なビジョンを示

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    kechack 2009/04/01
    絶対的権力は絶対に腐敗するという政治の法則から、労働党も自由ではない。
  • 有意義な政権交代のために | YamaguchiJiro.com

    12月初旬に報道各社が行った世論調査では、麻生政権支持率が軒並み20%代前半にまで落ち込み、政権運営は危険水域に入った。麻生首相がいつまで持つかとか、次の総選挙前に再編の動きがあるのではないかと、永田町はにわかに騒がしくなった。溺れる自民党は福田を捨てて、麻生という藁をつかんだが、それによってもっと大きな墓穴を掘ることになった。今年の秋に選挙をしていたら、自民党と民主党が第一党の座をめぐる接戦を繰り広げたのだろうが、来年春以降に選挙があれば、自民党は惨敗するのではないか。政治の運命の過酷さを感じざるを得ない。 日の危機は幾重にも折り重なっている。小泉構造改革によって国内の社会、経済が荒廃、疲弊しているうえに、世界的な金融危機が重なった。派遣労働者の大量解雇などにより生活の危機は一層深まるばかりである。また政治面では、新自由主義路線の破綻という世界的な政策の潮流に加えて、自民党の劣化という

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    kechack 2008/12/22
    新自由主義対米追随に対する総括なしに中川秀直やいわゆる若手改革派とつながるなら、大義名分も理念もない、自己目的的な再編ゲームである。見え透いた策動に誘い出される軽率な政治家はいないだろうとは思うが
  • 政治家に教養は邪魔物か | YamaguchiJiro.com

    このところ、麻生太郎首相の失言、迷言が相次いでいる。この人物は宰相の器ではないという雰囲気が、永田町に蔓延し始めているようだ。一連の失言は単なるミスやサービス過剰ではなく、政治家としての質的な欠陥に根ざしているように思える。 私は少年漫画の創生期に子ども時代を過ごしたが、父親から「漫画ばかり読んでいてはろくな人間になれない」と時々説教をされた。親の説教というのは後になってみると有り難いものである。漫画ばかり読んでいたらどんな大人になるか、今の総理大臣を見ればよく分かる。 活字ばかりのおもしろさを子どもが理解するためには、最初は我慢が必要である。遊びたい欲求も抑えなければならない。読書は、知ることのために自分を律する訓練なのである。麻生氏の場合、自制心のないまま育った人間が権力を握り、唯我独尊の境地に入ったのだから、他人を見下したり、傷つけたりする言葉を次々と発するのも、むしろ当然であ

  • 解散先送りとこれからの政党政治 | YamaguchiJiro.com

    世界的な金融危機の中、日の株価も暴落し、麻生太郎首相は解散総選挙を先送りする決断を下した。麻生首相誕生後も、内閣支持率の上昇は見られず、自民党総裁として勝てる見込みのない選挙に突っ込みたくないという判断も、仕方ないものであろう。しかし、麻生政権が来年度予算の編成を行い、困難な政策課題に取り組むだけの政治的な力を持っているのかどうかも不明である。国民の負託を受けていない政権に、野党を説得し、政策を推進することができるのだろうか。 アメリカでは十一月の第一火曜日に大統領選挙を行うという決まりになっているので、政治家の思惑とは関係なしに選挙が行われる。そして、世論調査によれば、現時点では民主党のオバマ候補が共和党のマケイン候補に大差を付けている情勢である。アメリカでは今年一月の予備選挙開始以来、延々と選挙戦が展開されてきた。これは大変なコストを伴うが、同時に一年近い時間をかけ、全国をまたにかけ

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    kechack 2008/11/05
    残念ながら、首相は若者文化に理解のあるところを示すことに一生懸命で、社会の歪みに対する感性は持ち合わせていないようである。
  • YamaguchiJiro.com | 麻生首相の目線

    最近、「国民目線」という言葉がしばしば政治家の口から出される。私はこの言葉が大嫌いである。視線の代わりに目線という言葉を使うことがそもそも下品である。視線が自然なものであるのに対して、目線は、撮影の時に目を向ける方向のことで、そもそも作り物である。この言葉からは、国民と同じ地平からものを見ることはできないが、一応国民と同じようにものを見るふりをするという、権力者の偽善が伝わってくる。 麻生太郎首相もこの言葉を使うが、彼の目線がどこに向いているか、十月二六日の一連の出来事ではっきりした。秋葉原におけるパフォーマンスのバカバカしさは、先週の欄で書いた通りである。同じ日に、麻生邸見学ツアーに行った反貧困運動の参加者がただ道を歩いているだけで、三名も逮捕されるという事件が起こった。このときの映像はユーチューブなどで見られる。警察による違法、不当な弾圧であることは明らかである。 麻生首相が当に日

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    kechack 2008/11/05
  • どのツラ下げて秋葉原へ | YamaguchiJiro.com

    二六日、麻生太郎首相が秋葉原で街頭演説を行った。オタクのメッカ秋葉原で若者文化に理解のあるところを示し、人気回復を図ろうという魂胆であろう。この種の見え透いたパフォーマンスを見るにつけ、日政治貧困を思い知らされるようで、腹立ちを通り越して、悲しくなる。 秋葉原は、オタク文化の中心地であると共に、今年六月の連続殺傷事件の現場でもあり、現代社会の歪みの象徴である。このような悲惨な事件が起こったことまで首相のせいだとは言わない。しかし、麻生氏はこの数年の間、政府与党の幹部の一人として政治を動かしてきたわけであり、社会を荒廃させたことについては責任の一端を負っている。 仮に麻生氏が首相として国の運営を続けたいのならば、このような希望のない若者を大量に作り出したことについて、深刻に反省し、国民に謝罪することから政治を始めるべきではないか。 秋葉原の事件だけではない。その後も、生活に追いつめられた

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    kechack 2008/10/29
  • 新自由主義か社会民主主義か(竹中平蔵氏との対談) | YamaguchiJiro.com

    ・モデルチェンジできなかった自民 山口 自民党新総裁に麻生さんが選ばれましたが、安倍さん福田さんと続けて一年足らずで政権を投げ出してしまうというのは尋常ならざる事態で、自民党の統治能力は危機的状況にあると評価せざるをえません。なぜこんなことになったのか? やはり小泉―竹中路線の遂行によって、自民党丸から壊されたのだと思います。 竹中さんが司令塔になって、郵政民営化に象徴される構造改革を断行した。当然それは支持基盤の再編成を伴うもので、何よりも政治家の頭の中を入れ替える作業が必要でした。その方向に党全体がモデルチェンジできていれば、それはそれで生きる道だったはずです。ところが、簡単には変われなかった。多くの自民党議員は「人気にあやかろう」という程度の認識だったのに、小泉さんが予想外に力を持って気で規制緩和をやり出した結果、自らの地盤がどんどん掘り崩されていくわけです。そのことに対する危

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    kechack 2008/10/20
    序文だけ見ると、共通の敵である「古い自民党」を符合批判しているような…
  • 保守政治の歴史的限界 | YamaguchiJiro.com

    政治を見ていると、あまりの起伏の大きさに、言葉を失う。三年前の九月は郵政解散で自民党は未曾有の大勝を遂げた。二年前には、自民党内の圧倒的多数の支持で、安倍晋三氏が小泉純一郎元首相の後継に選ばれた。 一年前はその安倍氏が突然政権を投げ出し、福田康夫氏が首相に就任した。そして今年は、福田氏も同じように政権を投げ出した。今回の退陣は、福田氏個人の問題ではなく、日の保守政治歴史的な限界の現れととらえるべきである。 戦後の保守政治は、外における対米追随、内における富の再分配を二柱としてきた。この枠組みが揺らぎ始めたのは、冷戦が崩壊し、バブルがはじけた一九九〇年代である。 このころ自民党政治改革の激震にも見舞われた。しかし、新党勢力が再編の過程でまごまごするのを尻目に、自民党は他党を巧みに引き込んで政権を維持してきた。そして、改革を看板とした小泉政権の段階で、富の再分配による国民統合という

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    kechack 2008/09/09
    自民党は生き残りのためにさまざまな政策や人気取りの手法を駆使した結果、本来相いれないはずの理念や政策を抱え込んだ恐竜のような存在になった。
  • 首相不在の1年間 | YamaguchiJiro.com

    このところ、日の首相は一体誰なのか分からない状態が続いている。臨時国会の召集は内閣の権限である。総理大臣がこうだと言えば、それで決まる話のはずだが、政府与党では臨時国会の召集時期や会期をめぐって延々と議論が続いている。この文章が読者の目に触れる頃には決着が付いているだろうが、このもたつきぶりは異常である。 政策面でも、景気対策の大型補正予算を組むのか、小泉政権以来の「改革」路線を継続するのか、与党内の綱引きが続いている。この点でも、福田康夫首相の意志はまったく見えてこない。その他にも、インド洋での給油を続けるのかどうか、年金財政への国庫負担の増額分をどのように工面するのかなど、重大な課題が待ちかまえているにもかかわらず、この政権が何をしたいのか、まったく分からない。福田政権は脳死状態に陥ったようである。民主党が政策面でバラバラだという批評がよく聞かれるが、バラバラという点では自民党も負け

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    kechack 2008/09/01
  • 福田改造内閣の行方 | YamaguchiJiro.com

    優柔不断の福田首相が8月1日に内閣改造を行い、秋の政局には新しい布陣で臨むことになった。嘘か当か知らないが、何かので、第二次世界大戦末期にベルリンまで追い詰められたドイツ軍では、地下壕の中でヒトラーの側近がポスト争いをしていたという話を読んだことがある。今回の改造もその話を思い出させる。 今の自民党を崩壊寸前のナチスにたとえるのはまことに失礼であり、自民党や福田政権の起死回生の策もないことはないだろう。それにはまず、内閣の目指す方向を明確にすることであり、首相自身が自らの言葉でこの内閣が何をするか宣言しなければならない。 郵政民営化に反対して一度は自民党を追放された政治家が閣僚に起用されたことから、改造内閣では小泉政権以来の改革路線が交代したという論評も目立つ。しかし、その程度のメッセージでは、政策の中身は分らない。 福田首相が、誤った構造改革によってもたらされた社会の荒廃を憂えている

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    kechack 2008/08/18
    ベルリンまで追い詰められたドイツ軍では、地下壕の中でヒトラーの側近がポスト争いをしていたという。
  • 小沢一郎は首相候補になれるか | YamaguchiJiro.com

    洞爺湖サミットが無事終わっても、内閣支持率にはまったく影響ないことが明らかになった。自民党と民主党の支持率も、拮抗した状態が続いている。与野党の支持率が1年もの間並んだままだという事態は、戦後の政党政治歴史で初めての経験である。ともかく一度は政権交代を起こしてみようというのが民意であろう。 その意味では、民主党は政権獲得に向けて、かつてない好機に遭遇している。この好機を生かすために不可欠なのが、小沢一郎代表の改造である。世論調査では、次の政権は民主党中心が望ましいという意見が多数であるが、首相には福田康夫自民党総裁と小沢代表のどちらがふさわしいかという問いに対しては、小沢を推す声は少数となっている(『朝日新聞』、7月15日朝刊)。 9月の代表選挙では小沢再選がほぼ確実である。民主党には小沢以外に首相候補はいない。しかし、その小沢に対する国民の期待が今ひとつ盛り上がらない。民主党にとって、

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    kechack 2008/07/29
    かつては小沢一郎に批判的であった山口二郎だが…
  • 政治大転換の時代と新聞 | YamaguchiJiro.com

    転換期という言葉はいつの時代にも使われてきた。昔の雑誌を読んでいると、今から思えば高度経済成長の黄金時代であった一九六〇年代半ばでも、「転型期」という言葉が盛んに使われていた。現状に満足する人は不確かな未来への不安ゆえに、現状に不満を持つ人はよりよい将来への希望ゆえに、それぞれ変化や転換という言葉で同時代を捉えるのであろう。 とはいえ、今は日政治にとってかつてない当の転換期だと私は考えている。それを一言で表せば、自民党という政党が日を支配することが当たり前であった時代が終わろうとしているということである。福田政権の支持率は二〇%前後を低迷しているが、より重要なのは政党支持率である。今までも一時的に野党の支持率が上昇することはあったが、選挙のない平常時に与野党の支持率が拮抗することはなかった。昨年の参議院選挙以来一年間、自民党と民主党の支持率が一貫して拮抗し、時によっては民主党支持が

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    kechack 2008/07/25
    今の日本を脅かしている問題はどれをとっても、小泉時代に行われた政策選択の必然的な帰結である。数年前、ほとんどのメディアはこうした政策転換を「改革」ともてはやした。
  • 官僚とメディア | YamaguchiJiro.com

    過日、中央省庁の課長級研修で、現役の官僚を相手に話をした。質疑討論の時間では、マスメディアとどうつきあえばよいかということが話題になった。官僚諸氏はメディアに対して大変な被害者意識を持っている。メディアというのは役所のあら探しばかりして、当の政策論議を妨げていると、官僚の大半は思っている。 よい仕事をしたらほめられたいという気持ちはよく分かる。しかし、メディアの役割の1つは権力に対する監視機能にあり、現実の行政に失敗や腐敗が起こる以上、メディアが官僚に批判的になることもやむを得ない。 些末な問題ばかりあげつらって、この国が直面する当の政策課題について議論できないという不満もよく分かる。ならば、官僚自身がもっとメディアで音の議論をすればよいではないか。道路問題の時の国土交通省のように、誰がどう見ても矛盾のある政策を百パーセント擁護しようとするから、メディアも官僚を攻撃する。当事者が問題

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    kechack 2008/07/25
    官僚諸氏はメディアに対して大変な被害者意識を持っている。メディアというのは役所のあら探しばかりして、本当の政策論議を妨げていると、官僚の大半は思っている。
  • 08年5月:日中関係を考える | YamaguchiJiro.com

    日中関係について議論がかまびすしいところに、中国四川省で大地震が発生した。犠牲者が5万人を超えると聞くと、あまりの悲惨さに想像さえできない。日人としてもできるだけの支援をしたいと思う。被災者には申し訳ないが、これを契機に日中関係を普通の隣人関係にできればとも願う。 侵略の歴史には触れないようにしようというのは被害者の側から言うせりふであって、日人は歴史の負債を忘れてはならない。しかし、だからといって、今の中国がしていることについて一切批判してはならないというわけではない。チベット問題についても、国際的常識に照らした批判が必要である。 日中国も、謙虚で寛容な愛国心の確立という課題については、成功しているとは言えない。聖火リレーを守ろうとする中国人学生を見れば、愛国心とは自国の政府のすることをすべて肯定、讃美することではないと言いたくなる。 しかし、同じことは日の自称ナショナリストに

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    kechack 2008/05/22
    日本では愛国=政府賛美というタイプのナショナリズムは相当衰退したと思うよ。これも自民党がダメダメなお陰だけど。