中学生になったばかりの頃、ぼくらは小学校の頃に通っていたバスケットボールクラブに顔を出しに行った。すると小学6年生の一人が僕たちに、小学生チームと試合をしてくれ、と言ってきた。僕以外の二人は乗り気だったが、僕はそうでもなかった。というのも、ぼくときたら体育の成績が悪いほうで、マラソン大会なんか学年中・男女込みで下から2番だったくらいに体力がない。バスケットボールはそれなりに好きだったけれど、試合では特に活躍もできないし、自分が下手くそなことをよくわかっているから、点を取ろうという意欲もほとんどなかった。友達やイタリア人ハーフのコーチはそんなことは知らないよという感じで「バスケって本当に楽しいよな!」といつも僕のことを仲間はずれなどにせず誘ってくれていた。「だって俺たちは友だちだろう?」って感じだった。 それでも彼らの足を引っ張るのは嫌だったし、みっともないプレーをして下級生に恥を晒すのも嫌