大海の蛙、井の中を知らず 「井の中の蛙、大海を知らず」という言葉は、皆さんおっしゃいます。 ローカルな名声に留まるな、小さな世界に満足するな、世界を目指せと。いうなれば「MITの石井先生的な成長神話と野心と孤高」みたいなお話です。 でも、現実には「大海の蛙、井の中を知らず」コトもよくあったりすると思うんですよ。 * 数年前、うちの会社の研究所に、日本の研究機関とかアメリカの大学とか回って、世界の第一線で闘ってきた人が入ってきましてね。 まあ、凄い優秀ですよ。仕事速いですよ。成果バンバン出すですよ。 ぬるま湯でちゃぷちゃぷちゃぷとやってきた私たちと違って、一人で世界で戦ってきたやつは、やっぱりすげえなあ、と思うわけです。 ただ、まあ弱点もあるというか。 そういう才能に溢れた人は、能力の無い人と付き合うのが下手なんですよね。 国内の研究所ってのは、まあ部署にもよるんですが、アカデミッ
いろんなものを並べてやれば、沢山の人に何かしら持たせて帰すということになる。 客の一人がひとりが満足してうちへ帰っていくというわけだ。 というのは、ファウストの前狂言から。 ゲーテは、芝居屋だったので、世の中に言葉を「売る」ということをわきまえている。 この辺の割り切りは、Google先生と仲良くなれそうな雰囲気だ。 結局、物語が再利用性されるかどうかは、小さな細部が輝いているかどうかで決まる。 平野耕太の台詞回し、然り。 デスノートの精密なコマ絵、然り。 誰かが再利用したくなるような《何か》を埋め込む余力があるかどうかで、最後のジャンプは決まるのかもしれない。 だが、そこにたどり着くまでが一苦労だ。 本当の競技は走り幅とびなのに、助走距離がマラソン。 なんか、現代社会のコンテンツは、そんな感じになっているようだ。 ・・・いや、私が不器用なだけかも。 * そんなわけで、最近のW
理系は文系を騙してきたのか 「原発問題は、人災だ」といろんなところで言われている。 こういうのは、危険な言い方だけど、世の中の大半の人は、事故が起こるたびに 「『理系=強者』が『文系=弱者』を騙してきた」 と感じているのかもしれない・・・などと、最近は思ってしまうのですよ、加害妄想症の理系人間としては。 ナイーブな嘘の告発 僕がこんなことを言い出したのは、このサイトを読んだからだ。 2011-04-08(金) [長年日記] 斉藤和義の「ずっと嘘だった」という歌が評判だというので聴いてみたけど、「なんだこりゃ」だった。 (中略) こんな歌、十代の子供なら許されるかも知れないけど、斉藤和義はもう44歳、おれと同世代じゃないか。この歳になったら言っていいのは「(自分より若い世代に対して)無知でごめんなさい、騙されててごめんなさい、黙っててごめんなさい」だろうよ。いい大人がイノセンスぶって責
オレ自分でも気づいてなかったけど たぶんイケイケのキブンになってウカれてたんだと思います… だから今日のレースでよけいにショックをうけちゃった 一瞬目の前がまっしろになったけど この前までのウカれた気分を無かったことにすれば もう目の前の現実に集中するだけっすから これを読んで、ああ、そうだよなあ、と思った。 なんかこう、ここ最近の僕のスランプは、これだ。 自分が何か出来ると無駄にウカれて夢見ていたから、やはり何も出来ない自分にもういちど直面して、オタオタしていたのだろう。 思い返してみると、多分、ここ数年。 考えてみると2007〜2008年くらいから、徐々に感覚が狂い始めていた気がする。恥ずかしいことに、随分、長いこと、「なにものか」になろうとして、ウワついていたんじゃないだろうか。 物語では、そんなカペタの言葉を聞いて、おっちゃんが内心で呟く。 どうも、俺も歳をとっ
揺れ動く世界の中で 地震の被害は凄い。だが、俺のできることは節電くらい。紙を引っ張り出して、鉛筆を削りながら、締め切りが近づいてくるマンガの続きを描く。描きながら、この俺の行動って、どこかに繋がっていくんだろうか、と、時々頭を抱える。 * そんななか、トールキンの書いた「指輪物語」のことを、ふと思い出したりした。 あの物語世界に差し込む影の不思議なリアルさは、きっと自分の無力さを噛み締めていたトールキンの思いなんじゃないかと思うのだ。 なにしろ、あの作品の執筆は、第二次世界大戦の最中に行われていた。 紙がなくなって発刊もおぼつかなくなったりもした。 世界が大戦争を繰り広げる中で、こそこそと小人が指輪を捨てに行く話だ。しかも、指輪の力で正義が勝利するためではない、誰も指輪を使えないようにするために。 それは、大きな物語なのだろうか、小さな物語なのだろうか。 物語を見ると、主人公のフロ
疑問 ・・・あれえ、俺って誰だっけ? 年末悲鳴を上げて書いた論文落ちるところから始まって、地震がおこり、他にもなにやら、いろんなものが揺さぶられる一週間だった。 Webで見ると、みんな地震のニュースを流したり、地震対策の心得を流したり。時に応じたメッセージを流している。ikedanobuo氏が、どう考えても専門ではない原子力の話を語ってみたりする。 多分、世界のメッセージパッシングって、こういう風に出来上がっているのだ。 誤った風評やデマでさえ、世界と組み合わさって変化に適応して流れていく。 俺は、なにをしているんだろうなあ、と思う。 動揺する自分の心を前に、自問自答するだけで、一杯一杯だ。 こんなことではいかんのに。 Posted by Semiprivate March 13, 2011 02:26 AM
フラグの回収と運命 昔、フラグ展開の嫌いな友人がいた。 戦場で家族の話をすると、3分後にそのキャラクタは銃弾の雨の中でミンチになったりする。そういうのがすごく嫌で、だんだんフィクションを読むのがつらくなってきた、最近はノンフィクションばかりだと言っていた。 当時は、そのフラグ展開の陳腐さが嫌なのだろうと思っていた。それなら理解できると。 今は彼が嫌っていたものは、ちょっと違ったんだろうなあと思っている。 それは要するに観察者の無力感という奴だ。 ジェットコースターが上がっていくと、そのうち落ちることが分かっている。だけど、それを止めることができない。 そのヤキモキ感なんだろう。 * 最近、周囲の人が、「魔法少女が」という会話をすることが妙に多い。最近アニメから離れていた僕も、久々に見てみることにした。 で、薄々聞いてしまっていた話が、「3話目と8話目があ」という悲鳴だった。
八百長より恐ろしいもの なんか、世の中が大相撲の八百長で大騒ぎしているらしい。 別にそんなもん、どうでもいいじゃねえのか、とか思うのだが。 * そもそも「相撲に八百長は一切無い」と、心のそこから信じていた日本人って、何人くらいいるんだろう?たぶん、あんまりいないんじゃないかなあ、と思う。 週刊誌では、相撲の八百長の話がずっと書かれていたし、いろんなところで言われていた。でも、証拠が無いから、まあ「見なかったこと」にしていたわけなのだろう。 ホンネでは八百長があることを知りつつ、タテマエのうえでは八百長のことはいわない。ところが、証拠が見つかってタテマエの世界に出たとたんに、すげえ大騒ぎになる。 正直言うとなんか、こういう世界の仕組みが、ちょっと気持ち悪い。 * こういう話は、どこにでも転がっている。このまえは、検察で大騒ぎしていた。 検察が強引な取調べとか、でっち上げしているのは、
泣く 嫁さんと住んでみて、あらためてビックリしたこと。 泣く。 びっくりするくらい、すごくよく泣く。 たとえば、嫁さんが、いろんな女性陣に結婚式の話をされる。 「よかったよーよかったよー」「ありがとーありがとー」とか言い合っている。 嫁さんは、ニコニコしてお礼を言っていたかと思って、ふと顔を見るとと、ボロボロ泣いている。 嫁さんが泣くと、相手も泣き出す。二人でボロボロ泣いている。 要するに、感極まって、泣いている模様。 すごい速さで感情のメーターが振り切れるようだ。 女性は共感の生き物だと言うが、すげえなあ、と思う。 なんか、その横で感動の波に乗り損ねている俺はどうしていいかわからん。とりあえず、重々しくうなづいてみたりする。 会話していても泣く。 テレビ見ていても泣く。 うれしくてもかなしくてもおこってもびっくりしても、とりあえず泣く。 なんか、フツウの女性というの
どうも三等兵がケッコンするようだ えーと、ですね。 ・・・・ 結婚することになりました。 次の週末に、ささやかに親族のみで式を執り行う予定です。 マジで執り行います。ガチです。執行猶予は付かない予定です。 * いやあ、世の中、不思議なものですね。 なんかいまだに良く分かりません。事態が飲み込めていません。 私がこんな異常なフラグ立てたら、結婚式の前の週くらいに日本が戦争に巻き込まれて、神風オタク隊に徴兵されるか、将軍ミサイル落ちてくるんじゃないかと、心配していたのですが。 案の定、隣の国の情勢が不安定になりました。 ほんとすみません。 万一戦争でも始まったら、そのうち8割くらいは私の責任です。残りの2割は小デブの将軍様3世の責任です。 * 結婚すると母親に言ったら、絶句した後で、「相手は人間か?」と訊かれました。 まず次元を疑われた模様。どんだけだ。 ちなみにその晩、動
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く