今やラーメンと肩を並べるほど人気の「つけ麺」。行列のできる有名店は数知れず。 そんな「つけ麺」が誕生したのは1955年(昭和30年)頃。当時『東池袋大勝軒』を営んでいた故・山岸一雄氏が考案した。 「つけ麺」のベースは山岸一雄氏が修行時代に食べていた賄い飯。ラーメンを作ったあと、湯呑み茶碗に入れたスープと醤油に残った麺を浸して食べていたという。 ある日、山岸一雄氏がいつものように「まかない」を食べていたら、ふと厨房を覗き込んだ常連客が「今度それを俺にも食わせてくれよ」と言い出した。 この言葉が転機となり、試行錯誤の末に現在の「つけ麺」と同じスタイルのザルにたっぷり盛った麺をスープにつけて食べる「もりそば」が誕生する。 「もりそば」は、またたく間に大勝軒でラーメンをしのぐ人気メニューとなった。 1970年には「つけ麺」ブームが訪れる。この頃から「もりそば」より「つけ麺」がメジャーな言葉になる。