◇与良正男(よら・まさお=毎日新聞論説委員) 先日、ラジオの深夜番組に出演していて改めて驚くことがあった。 ラジオのリスナーから電話やメールで意見を募集し、その何人かと出演者が直接電話で話すという趣向の番組である。この夜のテーマは「あなたは自民党の野党としての戦いぶりを評価しているか」だった。 その前夜から未明にかけての衆院本会議。中小企業向け融資や住宅ローン返済猶予を金融機関にうながす臨時措置法案を自民、公明両党が退席するなか、民主党など与党側が強行採決した直後だっただけに、もう少し、民主党への反発や批判の声が強いと私も思っていた。ところが、反応は違った。意見を寄せた人の大多数が「自民党を評価しない」と、まるで冷淡だったのだ。 ◇攻め手に乏しい自民 自民党は対決型を目指すべきか、政府法案に対し是々非々の態度で臨む健全野党を目指すべきか、といった路線選択以前の話なのだろう。目立ったのは「自