政府は27日、地域を限定して規制を緩和する「総合特区」法案に、地方自治体の条例で法規制を塗り替えられる「上書き権」を盛り込むことを見送る方針を決めた。上書き権を強く求めていた民主党の総合特区・規制改革小委員会は同日の会合で、この方針を了承した。党側は法案の目玉と位置づけていたが、内閣法制局などが「条例が法律を超え(て規制緩和を決め)るのは違憲の恐れがある」と慎重で、政治主導による突破を図った党側も官の壁を越えられなかった。【小山由宇】 同法案は、地域活性化や国際競争力向上のため、国の法律や政令による規制を特区内に限って一部例外にできるようにする。政府内に「総合特区推進本部」を設置し、4月に特区の指定要件などの基本方針を決め、自治体の申請を経て7月にも特区を指定する。上書き権が盛り込まれていれば、特区に指定された段階で、法・政令改正を待たずに、自治体の意思で迅速に規制撤廃ができるはずだった。