世界のフラット化できない部分とは 月刊『アスキー』 2006/11月?(復刊一号) 山形浩生 要約:フリードマン『フラット化する世界』は原書刊行時に、粗雑で中身がない、と批判を受けている。かれのフラット化は、自分の旅している豊かな部分だけの話であって、それ以外のかなり広い世界は、眼中にない。9.11の真の教訓は、人はそうした見ていない、見えていない部分に復讐されるということだったが、フリードマンにそれが見えているのかどうか。 『フラット化する世界』の原書が初めて出たとき、イギリスの The Economist にかなり否定的な書評が載った。基本的にこの本は、世界がIT技術その他で昔より小さくなり、グローバル化が進展しつつあってその流れは止まらないんだからどうやって利用するかを考えなさい、というだけの話を、数百ページにわたりひきのばしただけで、その記述も(そもそも「フラット/平ら」というのを