安倍晋三首相は2020年の改正憲法施行を掲げ続ける。今夏の参院選では争点の一つになりそうだ。表現に関わる人々に、論議の憂慮すべき点を聞いた。 ―安倍首相は改憲を悲願とする。 「憲法は権力者が勝手な行動をしないためにある。多くの国民が改憲を求めるなら納得するが、権力者が変えようとすべきではない」 ―自身の憲法観は。 「憲法制定のいきさつにじくじたる思いはある。敗戦という重い歴史があり、日本人が主体的に作ろうとした憲法ではないからだ。だが日本の識者も加わり、世界が理想とする憲法の見本のような内容になった。私たちは二度と戦争はしないと宣言し、約束を守ってきた。今の日本を誇りに思うし憲法を大切にしたい」 ―自民党の改憲4項目は9条への自衛隊明記や緊急事態条項を盛り込んだ。 「自衛隊は東日本大震災など多くの災害復旧に貢献し、海外では道路整備などに取り組む。改憲派は『国を守る人々がないがしろにされてい