【瀋陽=大木聖馬】第2次大戦後に中国に残留した日本人女性の半生を描いた連続テレビドラマ「小姨多鶴(しょういたづ)」(多鶴おばさん)が、中国国内で人気を呼んでいる。 日本人は、侵略者として扱われることが多い中、戦争被害者として描かれた異色の作品で、ドラマを通じて対日観を変える視聴者も多い。 ドラマは、19歳の多鶴が終戦直後、黒竜江省の開拓団から日本に引き揚げる途中で家族とはぐれ、中国人の老夫婦に命を救われるところから始まる。 多鶴は、老夫婦に請われ、日本兵に追われてがけから転落して子どもを産めなくなった老夫婦の次男の嫁に代わり、3人を出産。子どもたちとは、「おばさん」として接する。日本人であることを隠すため口がきけないふりをし、日中は採石場で働き、仕事の合間には授乳で自宅に戻るといった苦労の日々を送る――という筋書きだ。 日本人開拓団が自決に追い込まれたり、引き揚げ途中で中国人に襲われたりす