きょうも株式市場は下がり続け、日経平均は7000円を割った。市場全体の平均PBRが0.8という異常な株価は、需給要因(特に外人の手仕舞い)もあるが、最大の要因は円高だろう。図のように日経平均とドル/円レートには強い相関がある。だがこの円高は、8月には貿易赤字を記録した日本経済の実力を反映したものとは思えない。FTは、その主要な原因は円キャリー取引の巻き戻しだと書いている。 キャリー取引の実態はよくわからないが、Gold Researchは1.2兆ドルと推定している。Economistも昨年、1兆ドルと推定しているので、それぐらいの規模だろう。これは経済的には合理的な金利裁定で、このため低金利国(日本)から高金利国(アメリカ)へ資本が流出し、ここ5年ぐらいの円安バブルをもたらした。 しかし金融危機でドルが暴落すると、キャリー取引によるインカム・ゲインより為替のキャピタル・ロスのほうが大き