ロイターによれば、行き詰まっている日銀総裁の人事について、福井総裁が暫定的に続投するという案が浮上しているようだ。与野党の「ねじれ」がよくあるアメリカでは、あのグリーンスパンでさえ再任が決まらず、暫定的に任期を延長したことが2度あったそうだから、延長すること自体は大した問題ではない。ただ日銀法の改正が必要で、民主党の同意が不可欠だ。 ここまでもめても福井氏の続投論が出てこなかったのは、村上ファンドの事件があったからだろう。しかし村上ファンドの犯罪性はそれほど強いとはいえないし、民間人としてそれに投資したことにも問題はない。日銀総裁になったあとも資金を処分しなかったという過失はあろうが、総裁としての手腕にかかわる問題ではない。かつてEconomist誌が「世界のベスト中央銀行総裁」に選んだように、福井氏の手腕は高く評価されている。 与野党が合意する総裁がいないのなら、日銀法を改正して福井