親会社から独立した情報システム子会社が増えている。しかし経営的に成功しているケースは少ない。うまくいかない理由のほとんどは,親会社が安易な発想で,子会社に仕事を任せていることにある。情報システム子会社には,社内の業務だけに対応するのか,それとも社外のビジネスも受注して成長を狙うのか,明確な戦略が必要である。その上で子会社に移った社員のモラルを維持し向上していくことが不可欠だ。 本記事は日経コンピュータの連載をほぼそのまま再掲したものです。初出から数年が経過しており現在とは状況が異なる部分もありますが,この記事で焦点を当てたITマネジメントの本質は今でも変わりません。 金融サービス業のS社は管理会計システムの再構築に着手した。この仕事の責任者になった情報システム部のB部長は,業界でも画期的なシステムにしようと計画段階からはりきっていた。ところがいざ具体的な作業が始まってみると,システム要件の