2009.06.01 山田順子 (実業之日本社・2008年12月刊) クイズや歴史のテレビ番組で放送作家として活躍する山田順子氏の力作。山田氏は、時代劇映画のために、歴史や美術の資料を収集・研究し、脚本家や監督に的確な助言を与えたり、役者を指導する「時代考証」という職業の専門家でもある。 さて、山田氏によると、江戸時代は士農工商で仕事が固定されているわけではなく、公家や大名以外は、かなり自由に職業を選べたという。本書では、それらの仕事を詳細に紹介。油売りや貸本屋、古着屋に髪結い屋、八百屋に魚屋、居酒屋、焼き芋屋。ゴミ収集屋も汲み取り業(糞尿を集める)もいた。代金均一で売る今の100円ショップのような店もあった。さらに農民は武士という身分を「金」で買っていたそうだ。要は何でもござれ。人々は基本的にはやりたい仕事につけたのである。 その仕事の1つが、本書のタイトルにもなっている「傘張り」。いわ