財務省は事務方トップがセクハラ疑惑で更迭される異常事態に陥った。しかも安倍晋三首相の意向に反した福田淳一事務次官の遅すぎる辞任は「最強官庁」の信頼を著しく失墜させ、確実に政権への打撃になっている。 首相は週刊新潮が12日に福田氏のセクハラ疑惑を報じたことを受け、辞任は不可避とにらんでいた。真偽は不明だとしても13日には発言の音声データまで公開され、ワイドショーが連日報じる事態となった。 首相は「早く辞めてもらうしかない」と周囲に漏らし、菅義偉官房長官とともに15日の段階で福田氏更迭を決断。福田氏自身が16日にも辞表を出すことが望ましいとの考えを示し、菅氏が麻生太郎副総理兼財務相を説得したが、麻生氏は同意しなかった。 それどころか財務省は16日、「第三者による事実関係の調査」として「被害者」に名乗り出るよう求める異例の文書まで発表した。事前に文書を見た杉田和博官房副長官は「出したらまずい」と