ある日、ピカソがマーケットを歩いていると、手に一枚の紙を持った見知らぬ女性がこう話しかけてきたそうです。 「ピカソさん、私あなたの大ファンなんです。この紙に一つ絵を描いてくれませんか?」 ピカソは彼女に微笑み、たった30秒ほどで小さいながらも美しい絵を描きました。そして、彼女へと手渡しこう続けます。 「この絵の価格は、100万ドルです」 女性は驚きました。 「ピカソさん、だってこの絵を描くのにたったの『30秒』しかかかっていないのですよ?」 ピカソは笑います。 「30年と30秒ですよ」 これは、芸術家ピカソの話として、また、アートの価値に対する人々の意識をあらわす話としてもよく語られる有名な逸話。 ピカソの天才的な才能は言わずもがな。しかし、そんな彼の能力をまさか“時給”で測ることなんてできません。どんなに短い時間であれ、どんな安価な素材を使っていたとしても、数十年と積み重ねてきた経験が作