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ブックマーク / www.tachibana-akira.com (64)

  • 会食バッシングではなく、接待が不要になる仕組みをつくろう 週刊プレイボーイ連載(470) – 橘玲 公式BLOG

    総務省の「会疑惑」は、事務次官候補とされていた総務審議官が辞職するなど、底なしの様相を呈しています。内閣人事局の集計では、利害関係者との会の届け出は、経産省や農水省では過去3年間で300件前後もあるのに、総務省は1件だけでした。 国家公務員倫理規定では、割り勘でも1人1万円を超える利害関係者との会は届け出が必要とされています。とはいえ、業者から会に誘われたときに1人1万円を超えるかどうかは知りようがなく、会後に相手から「割り勘で1万円です」といわれたら、その計算が正しいかどうかも確認のしようがありません。総務省ではこの理屈で、「1万円さえ払えば接待OK」が常態化していたようです。 こんないい加減では批判されて当然ですが、会ばかりをバッシングすると、「会しなければいい」ということになりかねません。これが末転倒なのは、「飲をともなわない密室で談合するのは許されるのか」を考えれ

    kikai-taro
    kikai-taro 2021/04/05
    文明発生当時から連綿と続けられていることだろうから、人がかんでいる限りなくすのはムリだろう。官僚を全てAIに置き換えたときにどうなるかわからないけど。
  • 「善意の支援」が苦しむひとをより傷つける 週刊プレイボーイ連載(467) – 橘玲 公式BLOG

    新型コロナウイルス禍で孤独や孤立の問題が深刻化していることを受け、政府は内閣官房に「孤独・孤立対策担当室」を設置しました。 ヒトは徹底的に社会化された動物なので、つながりを断たれることで身体的にも精神的にも深刻な負の影響を受けます。孤独に苦しむひとをすこしでも減らすことが社会の目標になるのは当然でしょう。 しかし、ここには難しい問題があります。善意のサポートが、逆に相手を傷つける可能性があるからです。このことは次のような心理実験で確かめられました。 被験者はニューヨークの大学に通う女子学生で、支援者(他の学生)から人前でスピーチするためのサポートを受けます。アドバイスは「あからさまなもの(こうすればいい)」と「間接的なもの(自分だったらこうする)」の2種類で、さらに、サポートする側に優位性がある条件(あなたによい方法を教えてあげる)と、無力さを感じさせる条件(わたしの方がアドバイスを必要と

    kikai-taro
    kikai-taro 2021/03/15
    親が子に「勉強しなさい」と言うことがよろしくない理由と通ずるかも。それに、日本人がボランティアに積極的でないのも、薄々気づいているからかも。
  • 女性差別より「先輩に逆らえない」体育会系文化? 週刊プレイボーイ連載(466) – 橘玲 公式BLOG

    すこし前の話ですが、都内の有名私立大学でバレーボールのサークルに入っている女の子がアルバイトにやってきたので、みんなで歓迎会をすることになりました。 最近の学生事情などを教えてもらいながら楽しくおしゃべりして、私のワイングラスが空くと、その女の子がボトルをもって注ごうとしました。びっくりして「そんなホステスみたいなことしなくていいよ」といったのですが、きょとんとした顔をしています。 話を聞いてみると、大学の体育会系サークルでは後輩が先輩にお酌をする決まりになっていて、どこでもそうするのが当たり前だと思っていたといいます。「それっておかしいと思わないの?」と訊くと、「わたしはヘンだなと思ってたんですけど……」とのことです。 彼女は3年生で、4年生は就活で抜けるので、今年からサークルの最上級生です。そこで、「こんな封建時代みたいなことは自分たちの代でやめようって提案したらどう?」と訊くと、真顔

    kikai-taro
    kikai-taro 2021/03/08
    サルなんだよ。どんなにつまらないものでも、手放すのが惜しい。
  • わたしたちは「どんどんよくなる」素晴らしい世界を生きている(らしい) 週刊プレイボーイ連載(459) – 橘玲 公式BLOG

    「今年はどんな年になるだろうか?」を考えると、やはり新型コロナの話になってしまいます。欧米ではワクチン接種も始まりましたが、日での接種は早くても2月とされており、新興国はさらに遅れるでしょうから、東京オリンピックの時期は別として、年末になってもコロナ前のような海外との自由な行き来は難しそうです。 専門家の多くは、ワクチンができたとしても、「正常化」までには2~3年かかると考えているようです。その間、世界と日はどのように変わるのでしょう? はっきりしているのは、先進国で大きな社会問題になっている経済格差がさらに拡大することです。 未知の感染症が流行しているなかでは、パーティや会旅行などの「不要不急」の支出は控えられますが、日々の生活費は家計から出ていきます。その一方で収入はというと、医療・福祉、サービス業などに従事しているエッセンシャルワーカーの雇用は大きく減ったものの、リモートワー

    kikai-taro
    kikai-taro 2021/01/12
    運動をしなくても健康を保てる薬が安価に普及すれば、現在の世界中の問題の殆どを解決できる。そのとき、“人間らしさ”の再定義が必要になるけどネ。
  • 日本人は役に立たない政府を望んできた 週刊プレイボーイ連載(458)  – 橘玲 公式BLOG

    今年1年を振り返れば、世界は未知の感染症によって大きく動揺し、それぞれの国や社会の深層に隠されていた構造があぶりだされたことに気づきます。 数千年ものあいだ皇帝による独裁統治(人治)をしてきた中国は、ひと足早く超監視社会に移行したことで、人権を制約すれば感染症を抑制し、経済成長と両立できることを示しました。それに対して「リベラルデモクラシーの守護者」たる欧米は、過度な社会統制を避けたことで膨大な感染者・死者を出しましたが、その一方で、病院へのアクセスを制限し、治療に優先順位をつける“社会的トリアージ”によって、感染拡大でも医療崩壊を防げることを示しました。 ひるがえって日はどうでしょう? 中国のような統制もせず、かといって欧米のようなロックダウンにも至らず、すべての患者を受け入れながら、国民の同調圧力と「自粛警察」だけで一定程度感染を抑制したことで、国際社会からも「謎の成功」と奇妙な称賛

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    kikai-taro 2020/12/28
    そもそも日本国民が「有能な政府」を経験したり理解できていたりするのかどうか。地政学的には“これでも”「有能」だったのかも。ただ、海を越えて色々出入りするようになって、調整力では間に合わなくなったとか。
  • 新型コロナで、大学はほんとうはどうなっているのか? 週刊プレイボーイ連載(456)  – 橘玲 公式BLOG

    新型コロナの感染拡大を受けて教育のデジタル化が叫ばれていますが、大学ではすっかり「新しい生活様式」が定着したようです。 都内にある有名私立大学(文系学部)では、ゼミを含むほぼすべての授業がオンラインに切り替えられたため、学生は大学に行くことがほとんどなくなりました。時間になるとズームにログインして「出席」しますが、最近ではほとんどの学生が顔を出さなくなったため、画面に名前がずらりと並ぶだけです。女子学生から「化粧していない顔を見られたくない」との声が増えたからだそうです。 そうなると教師は真っ暗な画面に向かってしゃべることになるので、こんどは自分も顔を出さなくなりました。学生は一方的に教師が話すのを聞くだけで、これでは「ラジオと同じ」です。もっともオンライン授業はかろうじて双方向ですが、オンデマンドでは教師が録画した講義が流れるだけなので、こちらは「ビデオと同じ」です。 顔が見えないのでは

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    kikai-taro 2020/12/14
    「きれいごとをいう者ほど利己的で、高い知性は自己正当化に使われる」
  • 第93回 持続化給付金、グレーな申請(橘玲の世界は損得勘定) – 橘玲 公式BLOG

    新型コロナウイルスの影響で売上が減った事業者などを支援する持続化給付金は、中小企業200万円、フリーランスなど個人事業者100万円を上限としている。トラブルが多発しているのは申請要件の甘い個人事業者向けで、税理士などが前年度の架空の確定申告書を作成し、申請者はそれを使って税務署で期限後申告し、今年度の架空の売上台帳で売上が減少したように見せかけて給付金を申請する手口のようだ。 不正が許されないのは当然で、かかわった者はきびしく罰せられるべきだが、ここで「中小企業向けの200万円の給付金には同様の不正受給はないのだろうか」と疑問に思うひともいるかもしれない。 結論から先にいうと、不正受給はほぼあり得ない。とりわけ家族経営や自営業者の法人成りのような零細法人なら、大半が給付の要件を満たすばかりか、年間の売上が増えていても200万円を受給できるだろう。 取締役1名(すなわち自分)のマイクロ法人を

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    kikai-taro 2020/12/09
    日本の政治哲学は“得票”という点で共闘しているわけか。
  • 2028年にアメリカに「左派ポピュリズム」の大統領が誕生する? 週刊プレイボーイ連載(4532) – 橘玲 公式BLOG

    歴史的な大接戦となったアメリカ大統領選はバイデンが勝利宣言しましたが、トランプはまだ敗北を認めていません。決着までにはしばらくかかりそうですが、それでも米紙ニューヨークタイムズの出口調査ではいくつか興味深い傾向がわかってきました。 ひとつはラティーノ(中南米からの移民)のトランプ支持が予想外に多いこと。男性は36%(バイデン支持61%)、女性は28%(同70%)ですから、「メキシコとの国境に壁をつくる」という大統領に、その壁の向こう側にルーツのあるひとたちの3分の1が投票したことになります。 「キューバやベネズエラから逃れてきた移民には社会主義への拒否感がある」「熱心なカトリック信者が多く人工妊娠中絶に反対」などともいわれますが、それよりも「(選挙権のある)合法な移民は不法移民をこころよく思っていない」の方が説得力があります。 米国の市民権を取得したラティーノの多くは低賃金の仕事に従事して

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    kikai-taro 2020/11/24
    「メディアはトランプに「レイシスト」のレッテルを貼ることに夢中」…マスコミお得意の“マーケティング”ではトランプが一枚上手だった/「左派ポピュリズム」て、財政破綻か共産政権誕生か。
  • リベラルな社会は、すべてのひとの「尊厳」を守ることはできない? 週刊プレイボーイ連載(452) – 橘玲 公式BLOG

    新型コロナの感染第二波が広がるなか、パリ近郊の公立中学校で歴史と地理を教えていた教師が刃物で首を切られて殺害されるという衝撃的な事件が起きました。 「表現の自由」を教える授業でムハンマドの風刺画を見せたことにムスリムの生徒の親が反発し、SNSに教師を批判するビデオを投稿、それを見たロシア・チェチェン共和国出身の18歳の男が犯行に及んだとされます(犯人は警官によって射殺)。 フランスは人権宣言によって人類史上はじめて表現の自由を掲げ、これを「建国の理念」としました。テロによってこの「普遍の権利」が侵されてはならないとして、多くの市民が街頭に出たのは当然です。 もちろん、これを「表現の自由」に名を借りた体のいいイスラーム批判だという見方もあるでしょう。実際、トルコをはじめとするイスラーム諸国では、マクロン政権によるモスク閉鎖や取締り強化に反発してフランス製品の不買運動が広がっています。 とはい

    kikai-taro
    kikai-taro 2020/11/19
    「すべてのひとの「尊厳」を守ろうとすると、対立するアイデンティティを調停できなくなる」ところに資本主義がつけ込み、民主主義を飲み込んでいく。
  • 「これからは非正規でも扶養手当が受けられるようになる」はホント? 週刊プレイボーイ連載(451) – 橘玲 公式BLOG

    年功序列・終身雇用の「日的な働き方」の転機になると注目された最高裁の2つの判決が出ました。 契約社員やアルバイトに賞与・退職金を支払うべきかを争った裁判では、最高裁はいずれも「不合理とまでは評価できない」として、一部の支給を認めた高裁判決を退けました。その一方で、日郵便の契約社員らが正社員との待遇格差を訴えた裁判では、扶養手当や有給休暇など、高裁判決の一部を変更して原告の請求すべてが認められました。経営側と非正規労働者の双方が一勝一敗で、バランスをとった判断のようにも見えます。 正規/非正規の格差解消を目指す流れのなかでいずれも大きな意味をもつ裁判ですが、ここでは日郵便の判決がどのような影響を与えるかを考えてみましょう。 民主党政権時代(2013年4月)に施行された労働契約法20条は、「正社員か非正規かにかかわらず合理的な根拠のない待遇格差は認めない」という画期的なものでした(現在は

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    kikai-taro 2020/11/09
    この流れとは別に、アルバイトの方が正社員よりすごい仕事をしているのに、当人も正社員も経営者もその自覚がない――というケースもあって、話はますます複雑になる。
  • 日本学術会議問題は「脅して従わせる」マネジメント 週刊プレイボーイ連載(450) – 橘玲 公式BLOG

    学術会議が推薦した会員候補のうち6人が任命されなかった問題で、菅政権が発足早々、逆風にさらされています。経緯に関しては不明な点もありますが、報道を見るかぎりでは、以前から官邸は多めの人数の名簿で事前説明するよう求めていて、2016年には補充人事で上位に推した候補に官邸が難色を示したことから、全ポストについて推薦そのものを見送る事態が起きています。 官邸が問題にしたのは、学術会議が「政府機関」でありながら「独立した人事権」をもつという慣行で、民主的な手続きで選ばれた政府の上位に「超越的」な権力が生まれることを危惧したとされます。とはいえ、学術会議が「軍事的安全保障研究禁止」の方針を決定したり、所属する学者が政府を批判する発言をすることへの心情的な反発が大きかったのでしょう。 今回の紛争の直接の原因は、学術会議の前会長(前京大総長)が、官邸との事前折衝を無視して105人の会員候補の推薦名簿

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    kikai-taro 2020/11/02
    ティモシー・スナイダーの『暴政』を読むとしよう。
  • 持続化給付金の不正受給で日本の未来がわかる? 週刊プレイボーイ連載(449) – 橘玲 公式BLOG

    新型コロナウイルスの影響で売上が減った事業者などを支援する持続化給付金で、大量の不正受給が発生しました。給付金の上限は中小企業が200万円、フリーランスなど個人事業者が100万円ですが、トラブルが多発しているのは申請要件の甘い個人事業者向けです。 報道によると不正受給の手口は、 税理士などが前年度の架空の確定申告書を作成する 申請者はそれを使って税務署で期限後申告し、控えを受け取る 今年度の架空の売上台帳で売上が減少したように見せかけて、確定申告書類とともに給付金を申請する という単純なものでした。この手口が広範に行なわれていたことは、不正受給を報じた地方新聞社で複数の社員の不正受給が発覚したという、笑えない話でもわかります。 不正受給の指南で、紹介者や偽の申請書類を作成した税理士は半分程度のキックバックを受け取っていたようです。1人につき50万円ですから、10人で500万円、不正受給者を

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    kikai-taro 2020/10/26
    マイナは全国民を単一の物差しに載せるから格差が可視化できちゃう。それがイヤな勢力がグズってるのかな。国民個人の身体生命の安全確保のときだけ蓋を開けると厳格化すればいい。でないと、いつまでも闇鍋状態だ。
  • どんどん貧乏臭くなった日本をふたたび「憧れの国」に 週刊プレイボーイ連載(446) – 橘玲 公式BLOG

    いまから10年以上も前の話ですが、バンコクで暮らしている日人の知人から「日大使館の対応がひどすぎる」という話を聞きました。タイ人女性と結婚したにもかかわらず、が日に行けないというのです。 当時、日政府は外国人の不法就労を警戒し、タイ人への観光ビザの発給をきびしく制限していました。その結果、を連れて里帰りすることすらできなくなってしまったのです。 しかし、驚いたのはここからです。 配偶者の観光ビザをめぐって理不尽な思いをするのは彼だけではなく、バンコクの日大使館のビザ申請窓口では、連日のように担当者とのあいだで険悪なやり取りが交わされていました。大使館の担当者はタイ人で、交渉するのは日人の夫とタイ人のです。そうするとある日突然、ビザ申請窓口がミラーガラスになってしまったというのです。 「“あなたの結婚は信用できません”といわれて、頭にきて相手を怒鳴りつけようとするでしょ。そ

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    kikai-taro 2020/10/05
    30年あまり前にバブルが発生したこと自体が、もともとの貧しさの証拠だったのかも。
  • 意志力をふりしぼって成功すると寿命が縮む!? 週刊プレイボーイ連載(445)  – 橘玲 公式BLOG

    成功への鍵として自制心や自己コントロール力が注目されています。これは「やり抜く力(GRIT)」とも呼ばれ、「生まれつきの才能」はもはや重要ではなく、誰もがこのちからを伸ばして傑出した人材になれるともいわれます。 これは、半分正しくて半分間違っています。現代社会で、社会的・経済的な成功にもっとも重要な能力が「知能」であることは繰り返し証明されています。知識社会とは、「言語的知能と論理・数学的知能に優れた者が特権的な優位性をもつ社会」のことなのですから、これはトートロジー(同義反復)でもあります。 とはいえ、たんに「頭がいい」だけでは成功できないこともわかってきました。地頭はいいけれど勉強もせずに遊び呆けている子どもがどうなるかを考えてみればわかるように、成功するためには、目の前の欲望をすぐに満たそうとする「キリギリス」ではなく、将来の自分のためにこつこつ努力する「アリ」でなくてはならないので

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    kikai-taro 2020/09/21
    人生は知恵の輪。力まかせで解くべきではない。
  • サマー・オブ・ラブ(愛の夏)という現代の寓話 週刊プレイボーイ連載(442) – 橘玲 公式BLOG

    黒人男性が警察官による過度な制圧によって死亡した事件を受けて、全米に「ブラック・ライブズ・マター(黒人の生命も大切だ)」の抗議行動が広がりました。 スターバックス発祥の地としても知られるワシントン州シアトルのキャピトルヒルは、カフェやギャラリーが集まるアート&カルチャーの人気スポットです。6月に入るとこのお洒落な街でデモ隊と警察が衝突を繰り返すようになり、6月8日、警察署長は不測の事態を避けるために警察署を封鎖して地域から退去することを決断します。こうして、21世紀に突如として“コミューン(自治区)”が誕生しました。 トランプ大統領はこの「異常事態」をはげしく非難しましたが、1958年生まれで10代で西海岸のヒッピームーブメントを体験したシアトルの女性市長は、この状況がいつまで続くのかテレビレポーターに訊かれ、「わからない。もしかしたらわたしたちは“愛の夏”を過ごせるかも」と答えています。

    kikai-taro
    kikai-taro 2020/08/31
    “人格”が何重にも入れ子になって、資本主義と自由主義が両輪となって、民主主義を踏みつぶしていくの図。奇怪だけど現実。
  • 日本で安楽死が認められないのは、日本人が「愚か」だから 週刊プレイボーイ連載(441) – 橘玲 公式BLOG

    難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性が、ネットで知り合った医師2人から鎮静薬を投与され死亡した事件が波紋を広げています。主犯とされる医師はツイッターに「安楽死外来(仮)やりたいなあ」などと投稿する一方で、によると頻繁に「死にたい」と訴え自殺未遂もあったとされ、犯行の動機については不明な点が多いままです。 その一方ではっきりしているのは、ALSを患う女性が自らの意思で安楽死を望んだことです。彼女は(パソコンのスクリーン上のキーボードを視線の動きで感知する)視線入力でブログやSNSに自らの思いを投稿していましたが、そこには「惨めだ。こんな姿で生きたくないよ」「すごく辛い。早く楽になりたい」などの言葉が並んでいます。 報道によれば、女性はスイスの自殺ほう助団体の利用を考えたものの、付添人が刑事罰を科せられる可能性を知って断念し、SNSでやりとりするようになった医師に依頼し、報酬として130

    kikai-taro
    kikai-taro 2020/08/24
    「日本人の民度が低い」と「知的優生学」が「説教」している、と憂慮する筆者――にコメントをつけている私…という具合にパタパタとどこまでも果てないなァ。
  • 「GO TOトラベル」が失敗するほんとうの理由 週刊プレイボーイ連載(440) – 橘玲 公式BLOG

    コロナ禍で苦境にある旅行業界を活性化するための「GO TOトラベル」キャンペーンがさんざんなことになっています。これについてはすでに多くの批判がありますが、それをひと言でまとめるなら「場当たり的」になるでしょう。 なぜこんなことになるかというと、新型コロナ対策を「感染抑制」と「経済活動再開」のジレンマ(トレードオフ)にしてしまったからです。感染を防ごうと緊急事態宣言を出せば飲業や観光業、イベント関連などの事業者が苦境に陥り、かといって経済活動の再開を急ぐとクラスターが発生し感染が拡大してしまいます。「あちらを立てればこちらが立たず」のこの関係がジレンマです。 それに対してトリレンマは、「3つの条件を同時に満たすことができない」ことで、「国際金融のトリレンマ」がよく知られています。「自由な資移動」「為替相場の安定」「独立した金融政策」の3つを同時に実現することはできないという定理で、先進

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    kikai-taro 2020/08/11
    見通しの良い土地に暮らすと、四方の地平線を眺め、そのはるか向こうを想像することが当たり前になる。海幸彦と山幸彦に、平原児は登場しない。
  • 検察法改正でほんとうはなにが問題だったのか? 週刊プレイボーイ連載(432) – 橘玲 公式BLOG

    検事総長らの定年延長を可能にする法案改正に対し、SNSで「#検察庁法改正案に抗議します」の投稿が広がり、大きな政治争点になりました。とはいえ、素人にはいったい何が問題なのかよくわかりません。 この改正案はもともと、年金支給年齢の引き上げにともない、国家公務員の定年を65歳まで延長するという改革の一部です。一般の公務員の定年はこれまで60歳でしたが、検察官は63歳とされていました。ところがこのままだと検察官の定年が2年早くなってしまうため、それを是正する必要があるというのが法案改正の来の趣旨です。 政府としては、公務員の定年延長を先行させることで、65歳までの雇用に二の足を踏む民間企業の背中を押したいとの思惑があるようです。とはいえ、年功序列のまま定年を延ばせば人件費が膨らんでしまいますから、60歳以上は給与を引き下げたり、短時間勤務に移行したり、役職定年制を設けて管理職から外すようにして

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    kikai-taro 2020/06/01
    天ぷら油の廃油を手間なく固めて可燃ごみに捨てられるように、“悪しき昭和のナニモノカ”というものたちも、ワンタッチでどこかにまとめて捨てることが出来たらイイだろうになぁ、と思うあれこれのひとつ。
  • 「お願い」で私権を制限するのは全体主義 週刊プレイボーイ連載(430) – 橘玲 公式BLOG

    新型肺炎の感染拡大を防ぐために自治体がパチンコ店に休業要請したところ、それでも営業を続ける店に客が殺到し、一部の自治体が店舗名の公表に踏み切りました。さまざまな議論を呼んだこの問題を2つに分けて考えてみましょう。 まず、自治体による「要請」というのは「お願い」で、当然のことながら、相手から「お願い」されてそれに応じるかどうかは人の自由です。店舗名公表によってこれを実質的に強制するのは、憲法で保障された「基的人権」を明らかに侵害しています。 しかし現在は、治療法のない感染症が蔓延する「緊急事態」です。そんななか、ほとんどの店が要請に従っているのに、一部の店舗だけが営業をつづけて利益をあげるのは間違っているとほとんどのひとは思うでしょう。 この疑問は当然ですが、なぜこんなおかしなことになるかというと、緊急事態なのに「お願い」しかできない法律だからです。ここから「営業させないなら休業補償しろ

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    kikai-taro 2020/05/18
    何らかの解決的方向性のある行動を目的とする(今そこにある危機)のでなく、不安定要因も含めての現状維持を目的(今ここにある私達)としているから、リベラルは黙らざるを得ないのかも。
  • 私たちは、いつ刑務所に放り込まれるかわからない国に生きている 週刊プレイボーイ連載(427) – 橘玲 公式BLOG

    2003年5月、滋賀県の病院で男性患者(当時72)が死亡します。その2カ月後、看護助手をしていた20代の女性のもとに、滋賀県警の若い男性刑事から電話がかかってきました。刑事は「亡くなった患者に責任を感じないのか」と強い口調で出頭を求め、看護助手は取調室で患者の遺影を見せられ、「人工呼吸器が外れてアラーム音が鳴ったのに適切な処置を怠った」とはげしく叱責されました。 怖くなった看護助手が「鳴った」と認めると、話はさらに奇怪な方向に転じていきます。当初は業務上過失致死だったのに、人工呼吸器のチューブを引き抜き、酸素の供給を遮断して殺害したことにされたのです。 裁判で元看護助手は無罪を訴えますが最高裁で実刑が確定、刑務所に12年間収監されました。2017年に満期出所すると、家族や支援者に押されて再審請求を起こし、その過程で、警察が「患者は呼吸器のチューブ内でたんが詰まり、酸素供給低下状態で死亡した

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    kikai-taro 2020/04/20
    個々人のプライバシー保護よりも、全てをライフログとして記録して公開可能にしておく方が、自分を“保護”できそうな気がしてくる。