世界20ヵ国の財務相と中央銀行総裁が上海に集まった。声明が発表されたが、新味ある政策はなかった。確認されたのは、金融政策では不安な世界経済に対処できない、ということだった。 【詳細画像または表】 財政を含めた可能な限りの政策が必要とされた。自国通貨を安くして輸出を増やし、他国に負担を押し付けあう「通貨安競争は避けよう」と戒めがなされた。 声明は心構えを謳っただけ。何をするかの合意はない。具体策は各国の宿題になった。 財務省は頭を抱える。財政出動を求める声が噴き出すことは必至だからだ。首相官邸はほくそ笑んでいるという。「消費税10%見送り」は首相周辺で既定路線になっている。必要なのは、もっともらしい理屈と発信の場だ。動き出したのが国際金融経済分析会合。また首相の私的諮問機関である。 ● 屋上屋の「国際金融経済分析会合」は 消費増税見送りへの露払い役 2016年度予算案が衆議院を通過