保育園以上に実態が知られていない 夏休み期間、親たちの会話やSNSに頻繁に登場するようになる「学童(保育)」。放課後や休日、家に保護者がいない小学生が「生活」し「遊ぶ」施設だ。共働き世帯の増加によってニーズが高まり、保育園に次ぐ待機児童問題も話題になっている。 ここ20年で制度化が進み量的にも広がったことから、親たちの子ども時代とは全く異なる様相を呈しているが、その実態は保育園以上に、当事者以外には知られていない。しかし現代の子育てにおける重要トピックの一つであり、「小一の壁の打破は喫緊の課題」として、岸田政権は学童保育の拡充整備を進めている。 現代日本の「学童保育」とは、どんな形をしているか。その成り立ちにはどのような経緯があり、課題を抱えているのだろう。 本記事では学童保育の歴史と制度を専門とする教育学者・石原剛志教授(静岡大学)にインタビューし、その現在地を明らかにする。 社会の経済