883系「ソニック」。国際鉄道デザインコンテスト「ブルネル賞」、鉄道友の会「ブルーリボン賞」を受賞し、グッドデザイン商品に選定された(撮影・岡次宏幸氏、ドーンデザイン研究所提供) JR九州の車両デザインを担当する水戸岡鋭治氏(61)が鉄道デザイナーの第一人者として知られるようになったのは、特急の787系「つばめ」、885系「ソニック」などが疾走するようになってからだ。その背景には、水戸岡氏自身でも斬新過ぎると思うようなデザインを求めるJR九州の「進取の精神」もあった。 ■(上)800系新幹線「つばめ」 “地産地消”と“和” 水戸岡氏はJR九州のスタッフを「好奇心の塊」と表現する。「九州はいまだかつてないオンリーワンを求める地域なんですよ」とも。重役たちが居並ぶ新車両のデザインを決めるプレゼンテーションの場。水戸岡氏は「自分でもこれはとんでもない」と思うぐらい斬新で採用されなさそうなA案、「