◇琵琶湖博物館、陸前高田の1046点修復 東日本大震災の津波で被災した岩手県陸前高田市立博物館の昆虫標本約3万点の修復作業などを、全国の博物館と分担して取り組んでいた滋賀県立琵琶湖博物館(草津市)が、担当していたチョウ類の標本計1046点について、修復と消失したデータベースの再構築作業をすべて終えた。判別不能の標本や失われたデータが多く、難航したが、「標本を保管、活用するにはデータベース化が不可欠。無事、仕上げることができてよかった」としている。(高山智仁) 陸前高田市立博物館は、地域の民具や動植物、昆虫など約15万点を収蔵していたが、東日本大震災による津波で、職員6人全員が死亡、または行方不明となり、建物も全壊するなど被害を受けた。 文化財救出のため訪れた岩手県立博物館(盛岡市)の職員らが震災翌月、がれきの中から標本を運び出したが、大半が水や泥をかぶったり破損したりしていた。収蔵品を記録