今月相次いで襲来した台風12号と15号。県内でも高砂、姫路、淡路市などで計7千棟以上を床上・床下浸水させるなど、大きな爪痕を残した。水浸しや泥まみれになった大事な書類、記念の写真……。「捨てるしかない、とあきらめないで」と専門家は呼びかけている。 スープやおみそ汁のインスタント食品でおなじみの「フリーズドライ」。文化財の世界では、水損した古文書をよみがえらせる方法として使われている。奈良文化財研究所はこの方法で、東日本大震災の津波で被災した古文書の修復を試みている。 でも、「真空凍結乾燥機」を持たない一般の人はどうすれば? 「残りご飯を凍らせる要領で、書類をラップにくるんで冷凍庫で凍らせて。紙にとって命取りな、カビの増殖を防げます」 こう話すのは、被災資料を救出するボランティア活動をしている歴史研究者を中心とした団体「歴史資料ネットワーク」の代表、神戸大大学院教授の奥村弘さん(51
隣町の郷土資料 復元作業に全力 遠野文化研究センター 津波で泥まみれになった資料の再生作業に取り組む職員や学生ボランティア=遠野市 岩手県遠野市の遠野文化研究センターが、東日本大震災の津波で泥だらけになった岩手県大槌町図書館所蔵の郷土資料の再生に取り組んでいる。丁寧な手作業で泥を落とし、被災前の状態に近づける。文化分野の復旧に手の回らない大槌町に代わり、貴重な歴史的資料の復元に汗を流している。 資料は明治20年代から昭和20年代にかけての大槌町議会関連資料や地元紙のスクラップ、郷土本など計約700点。昭和三陸津波の被災調査や町長への請願書など大津波関連の記録もある。町図書館の書庫に収められていたが津波が流れ込み、泥まみれになった。 再生作業はセンターの職員が神奈川大の学生ボランティアの協力を得て行っている。資料を遠野市の施設に持ち込み、水でくっついた紙をキッチンペーパーで吸水しながら一
社会貢献学会 東日本大震災支援委員会は、「あなたの思い出まもり隊」プロジェクトを開始します。 今回の震災において、多くの方々の大切な写真が水や泥をかぶったと予想されます。そこで、社会貢献学会では大学生・一般ボランティアとともに、無料で大切な思い出のかたちである“写真”をきれいにして印刷し、元写真とともにお返しするお手伝いを始めます。 水や泥をかぶった写真をお持ちでお困りの方は、ぜひご活用いただけましたら幸いです。 詳細は、以下のチラシ(PDF)をご覧ください。 4月18日、チラシを更新しました。新しいチラシをご確認ください。 チラシ 【問い合わせ先】社会貢献学会「あなたの思い出まもり隊」事務局 〒650-8586神戸市中央区港島1-1-3 神戸学院大学B号館3階 TKK学び合い連携センター内 TEL:078-974-4569 FAX:078-974-2549
群馬県立文書館が実施している被災公文書救助活動に、東文救の文書復旧システムが導入されています。同館は、早期から被災地の文書救済活動に取り組んだ施設の一つです。その一環として6月の半ばに宮城県女川町役場の被災文書を預かり、復旧作業を行ってきました。対象資料は、明治から平成までの税務課・町民課の簿冊など約300点。移管当初はかなり濡れているものもあったそうです。その後、国文学研究資料館が釜石市役所で実施した文書救助活動を参考にしながら、およそ15名の職員でキッチンペーパーによる吸水作業を繰り返し、7月中には全ての資料の乾燥が終了。現在は、ドライ・クリーニングと綴じ直しの作業を行っています。 群馬県立文書館に移管された女川町役場の被災文書。 乾燥作業は終了し、現在はドライ・クリーニングや綴じ直しを行っている。 東京文書救援隊としては7月13日に群馬県立文書館を訪問し、資料の状態や作業場を拝見する
File Not Found. 該当ページが見つかりません。URLをご確認下さい。 お知らせ 事件・事故のジャンルを除き、過去6年分の主な記事は、インターネットの会員制データベース・サービスの「京都新聞データベース plus 日経テレコン」(http://telecom.nikkei.co.jp/public/guide/kyoto/)もしくは「日経テレコン」(本社・東京 http://telecom.nikkei.co.jp/)、「ジー・サーチ」(本社・東京、 http://www.gsh.co.jp)のいずれでも見ることができます。また、登録したジャンルの記事を毎日、ネット経由で会員に届ける会員制データベース・サービス「スカラコミュニケーションズ」(本社・東京、http://scala-com.jp/brain/) も利用できます。閲読はともに有料です。 購読申し込みは下記のページから
文化庁から協力依頼を受けた被災文化財等救援委員会による文化財レスキュー事業の一環として、全国歴史資料保存利用機関連絡協議会(全史料協)から被災公文書等のレスキューへの職員派遣依頼があり、職員4名を派遣します。 1 派遣期間 平成23年8月29日(月曜日)から9月9日(金曜日) 2 派遣地 岩手県陸前高田市 3 作業内容 被災した公文書等約1万5千点の乾燥・修復作業 4 派遣職員 新博物館整備推進室 専門職員 2名(8月29日~31日、9月8日~9日 各1名) 文化振興室県史編さんグループ 専門職員 2名(9月1日~2日、9月8日~9日 各1名) 5 その他 被災公文書等の復旧支援は今後も続く見込みであり、全史料協等からの情報収集を継続し、被災地での 支援活動に最大限協力していきます。 全国歴史資料保存利用機関連絡協議会は、全国の公文書館等の機関及びその職員等で構成
東北大学(仙台市)の校舎の一角に、小さな作業場がある。机に向かうのはボランティアの主婦や学生たち。津波をかぶった古文書などを修復する作業が行われている。歴史的価値の高い資料の保全を行う文化財レスキュー(救援)の一コマだ。平成7年の阪神大震災でも、多くのボランティアが参加し、注目された。 NPO法人宮城歴史資料保全ネットワークが作業を始めたのは4月上旬。自治体や個人から依頼が相次いだ。「現時点で依頼されたものの1割ぐらいしか終わっていない」。NPO法人の活動を手伝う東北大学東北アジア研究センターの研究員、天野真志さん(30)は、そう話す。 破れないように紙を1枚ずつ丁寧にはがす。アルコールで除菌し、ペーパータオルなどで水分を取る。作業にマスクと手袋は欠かせない。異臭は強く、汚れがひどければ、もう一度、水道水で洗うこともある。 紙の種類も違えば筆記具も浸水の状態もそれぞれ。専門家はいない。試行
東日本大震災で大津波が直撃し、水没した宮城県女川(おな・がわ)町役場の公文書を、群馬県立文書館が救済に乗り出している。段ボール箱に水がしみるほどの状態で送られてきたが、乾燥作業が進み、一部は製本に入っている。泥や汚れを落とし、9月末をめどに女川町に届ける予定だ。 ゴム手袋にマスク姿の職員らが、1冊800ページはある土地台帳や戸籍関係の書類を破らないように、1枚ずつ丁寧にめくっている。乾いて浮かんできた泥や塩、ほこりをハケで払い落とす。一方で、厚紙で手製のバインダーを作る姿も。 同館の滝沢典枝さんは「一番大変だったのは文書を乾燥させる作業でした」と振り返る。 6月、女川町から250冊の公文書が運び込まれた。プライバシーの問題があり、公的機関以外での取り扱いが難しい。同町に支援に入っていた群馬県が依頼され、引き受けた。 補修作業は時間との闘いだった。15人の職員はひたすら、キッチンペー
東日本大震災で被災した陸前高田市立博物館の地質資料を再生させる救済事業がこのほど、資料の保管先である矢作町の旧生出小学校で行われた。県内外の地質研究者や学芸員らが参加し、津波で被害に遭った化石などの資料を丹念に除菌、洗浄するなどの作業を行った。今後は同定やデータ化作業も予定されており、各地からの協力を受けて進めていく。 地質学的には、南部北上山地に位置する陸前高田市。主として先シルル紀の花こう岩、古生界(古生代の地層)、白亜紀の花こう岩が分布する。 国内の中・古生界の大部分は、大型化石が乏しい付加体(海洋プレートが沈み込む際、プレート上の堆積物が陸側のプレートに張り付いたもの)で構成する。一方、南部北上山地の古生界は化石が豊富な浅海成の正常堆積物からなり、分布は国内で最も広い。 陸前高田は古生界の中でも石炭系(石炭紀の地層)やペルム系(ペルム紀の地層)が広く分布しており、この時代の地
全国の仲間と2万点 大阪市立自然史博物館(大阪市東住吉区)の主任学芸員・佐久間大輔さん(43)は、全国の博物館と協力し、津波で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市立博物館が所蔵していた標本の修復に取り組みました。 同市立博物館では職員6人全員が死亡・行方不明になりましたが、所蔵品の大半は残っており、同県立博物館(盛岡市)に運ばれました。佐久間さんが5月中旬に県立博物館を訪れると、台紙ごとポリ袋に入った標本などが積み上げられていました。その数、数万点。海水につかった標本を放置したためにカビやバクテリアが発生し、菌糸で台紙と植物がくっついているものもありました。 「とても地元だけで対応できる数ではない。全国の学芸員が力を合わせなければ」。佐久間さんはそう考え、所属するNPO法人「西日本自然史系博物館ネットワーク」加盟の博物館に協力を求めるなどし、全国計約40館が手分けして、約2万1500点を修復
◇ 乾燥させ、1枚1枚土払う 泥だらけの冊子や古文書を乾燥させ、1枚1枚はけで丁寧に土を払っていく。東日本大震災で津波被害を受けた歴史資料を修復する活動をボランティアで続けている。 資料は現地の市民団体からの要請で山形に運び込んだものだ。岩手県陸前高田市の博物館収蔵の研究資料や宮城県内の学校の卒業アルバムなど江戸時代から現代まで、その数は段ボール300箱を超える。指定文化財ではない一般の資料だが、「地域にとっては大切な資料。将来の復興に役立つ」と力を込める。 3月26日に団体の緊急集会を開き、文化財救済を呼びかけた。資料を乾燥させるための扇風機を担いで被災地に足を運び、泥やがれきの中から土器を引っ張り出す手助けもした。県内での作業には東北芸術工科大や山形大、米沢女子短大も協力。学生や会社員ら延べ約1千人のボランティアが参加する。すべての修復には3年はかかる見通しだ。 文書館もない山
東京文書救援隊が発足してから1ヶ月が経ち、東北各地で東文救復旧システムの導入が進む中、独立行政法人国立公文書館業務課修復係の若いスタッフ4名が公務として、東文救の活動を支援してくださることになった。東文救スタッフとともに現地に赴き、システム設営や現地の機関のスタッフあるいはボランティアの方々へのスキル・トレーニングを共同で行うことになる。写真は7月15日の宮城歴史資料保全ネットワークへのシステム導入に向け、打合せと各工程の方法の再確認を行っている様子。
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