テレビ、ラジオの輝きと共に 1990年代の日本の音楽シーンを席巻した「TKサウンド」。音楽プロデューサーの小室哲哉さんが手がけたアーティストや作品は若者を魅了し、現在活躍するミュージシャンにも影響を与えた。記録的なCD枚数を売り上げ、テレビやラジオなどをにぎわせたTKサウンドとは何だったのか。自らも夢中になったという音楽クリエーターのヒャダインさん(38)に話を聞いた。【須藤唯哉】 バブル崩壊により日本経済が暗く長いトンネルに入り始めた90年代前半から、小室さんはヒット曲を量産していた。「僕にとっては特別な音楽でしたね。非日常感があった」。ヒットメーカーのイニシャルから「TKサウンド」と呼ばれた新しい音楽に、大阪の中学生だったヒャダイン少年は夢中になった。人気グループ「TRF」などのCDをレンタルショップで借りていたという。