今は家庭用のプリンターで簡単に名刺やはがきが印刷できるが、昔は印刷所にお願いして「活版印刷」という方法で刷ってもらっていたそうだ。手間も人手もかかるというこの方法、今も続けている職人さんをこども記者が取材した。 【紙面PDF】おしごと拝見 活版印刷 文林堂 福岡市城南区 一文字一文字 作り手の温かさ ●鉛でできている 「うわあ、すごい!」 印刷所の「文林堂」(福岡市城南区)を訪ねたこども記者は、壁一面に並んだ文字のスタンプの数に驚いた。このスタンプは「活字」と呼ばれている。常用漢字だけでも2千文字以上、加えて仮名や数字もある。活版印刷では、この活字を組み合わせた板状の「版」にインキを塗り、刷り上げる。 店主の山田善之さん(74)は、お父さんが経営していた印刷所で10歳から手伝いをしてきたそうだ。近所から名刺などの注文を取って、活字を拾い、印刷まで手がけてお小遣いを稼いでいた。「活字を組み合