なぜ組織の上層部ほど無能だらけになるのか? 張り紙が増えると事故も増える理由とは? 飲み残しを放置する夫は経営が下手? 注目の新刊『世界は経営でできている』では、東京大学史上初の経営学博士が「人生がうまくいかない理由」を、日常・人生にころがる「経営の失敗」に見ていく。 ※本記事は岩尾俊兵『世界は経営でできている』から抜粋・編集したものです。 仮面の告発:科学者が陥るランキング至上主義の病 科学者への矛盾した要求は、科学行政と科学者とのイタチごっことなり、成果ではなく悲劇を生むことになる。科学行政は短期利益を追求するあまり、本来の目的である科学発展という長期利益を犠牲にしてしまっているのである。 科学者自身もまた、経営の失敗によってさまざまな悲喜劇を演じる。 たとえば、科学者はときおり科学の目的を忘れてしまうことがある。普段、落ち着いた状況で、「科学の目的は何か」ときかれれば、多くの科学者は
![科学者がついつい陥る「一流国際学術雑誌掲載」という手段が目的化してしまう罠(岩尾 俊兵)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e8fbe294994c7df9b70e4509887fb80e77f30d7d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F5%2Fa%2F1200m%2Fimg_5ad8363440d6bb17c09a29c0761e6fad50118.jpg)