2010年は大阪万博以来の入場者記録を更新した上海万博、またGDPで日本を抜き世界第2位に躍り出るなど、成長著しい中国。その中で中国IT企業が、数年前から続々と日本に進出している。中国IT企業の日本戦略や、日本人エンジニアの採用事情等について探ってみたい。 「2000年代に入ってから、中国のIT系企業の日本進出が目立つようになりましたが、その目的は10年前と今ではかなり変わってきています」と語るのは、中国系企業の日本進出事情を研究している(財)国際貿易投資研究所の増田氏。 当初の目的として多かったのは、「オフショア」としての受注。IT系の場合、主に設計~テスト段階におけるコスト削減メリットを武器に、日本のSI企業に対して営業展開するケースが主流だった。 しかしここ数年、その目的に変化が表れているという。 「顧客対応力や品質管理、効率的な生産性など日本が持つ高い技術力を吸収することで、競争力