ことの発端は今年の1月31日、東京高等検察庁検事長黒川弘務氏について、「管内で遂行している重大かつ複雑困難事件の捜査・公判に引き続き対応させるため,国家公務員法の規定に基づき,6か月勤務延長する」という閣議決定がされたことである。〈参照:閣議及び閣僚懇談会議事録 pp.2〉 検察庁法22条により、検察のトップである検事総長は65歳、それ以外の検察官は63歳で定年退官することになっている。黒川氏は今年の2月8日が63歳の誕生日のため、同日をもって定年退官するはずであった。しかし、この閣議決定によって、8月まで勤務が延長されたのである。 この延長は、黒川氏を検事総長に就かせるためのものはないか、と言われている。現在の検事総長は稲田信夫氏だが、検事総長は最長でも2年で退任するのが通例であり、稲田氏は今年の7月25日に在任2年を迎える。つまり、黒川氏の勤務を延長すれば、稲田氏の予想退任日においてま
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