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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (10)

  • 新聞の没落と資本主義の運命 - 池田信夫 blog

    経済危機の打撃をもっとも受けたのは、意外なことに新聞だった、とEconomistは論評している。サンフランシスコからは地方紙が消えるかもしれない。イギリスでは昨年、70の地方紙が消えた。NYタイムズさえ、グーグルに買収されるとかNPOになるとかいう噂が流れている。日でも、朝日新聞社のボーナスは48%減額されたそうだ。 新聞社には気の毒だが、この流れはもう変わらないだろう。価格は限界費用に等しくなるという市場原理はきわめて強力なもので、長期的にこの法則からまぬがれた産業はない。情報の限界費用(複製費用)はゼロなので、その価格がゼロになることは避けられない。ましてウェブのように完全競争に近い世界では、新古典派経済学の教科書に近い結果が短期間で成立し、レントはゼロになってしまう。 これは実は新しいことではない。クラークも指摘するように、産業革命の恩恵をもっとも受けたのは単純労働者であり、資

  • 先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし - 池田信夫 blog

    私は大学で教えているので、学生に「先生」と呼ばれるのはかまわないが、それ以外の人に先生と呼ばれるのは違和感がある。これは誰でも同じらしく、RIETIでは「先生は禁止」というルールをつくった。東大には「自分が教わった教師以外は先生と呼んではならない」という「根岸ルール」があるそうだ。 特に不愉快なのは、官僚が日常会話にもすべて「先生」をつけることだ。これは政治家と同じで、言外に「お前は祭り上げておくが、決めるのはこっちだ」という軽蔑のニュアンスを感じる。このごろは外人も「先生」をつけるようになった。昔は「さん」だったのだが、どうも日の事情にくわしくなると、政治家とか教師とか弁護士とか医者とか、社会から馬鹿にされつつ形式的に尊敬されている商売につける敬称であることを理解するらしい。 企業の中では「課長」「部長」というように肩書きで呼ぶのが日のマナーだが、これも外人がみると奇異に映るよう

  • シュンペーターの逆説 - 池田信夫 blog

    今週のASCII.jpにも書いたが、朝日新聞が初の赤字に転落したのは、業界にはけっこう衝撃的なニュースだったようだ。これは欧米ではすでに起こっていることで、遅かれ早かれ避けられない。日では再販制度で守られてきたぶん、独占利潤の崩壊が遅れただけだ。 では新聞サイトで購読料モデルが成り立つかというと、Economistのような高級紙(誌)かポルノサイト以外は無理だろう。広告モデルも、Facebookでさえ赤字だ。"Groundswell"にも書かれているように、Web2.0は既存企業を補完するビジネスで、それ自体で黒字になることはむずかしい。今どき『情報革命バブルの崩壊』とかいう恥ずかしいタイトルのを出す評論家もいるが、そんなことはとっくにわかっている。問題は、そこから先の「情報が無料に近づいてゆくウェブで、ビジネスは成り立つのか」ということだ。 実は、これは資主義はじまって以来の難

    klim0824
    klim0824 2008/11/27
  • Web2.0バブル - 池田信夫 blog

    Groundswellの邦訳が出る。ソーシャル・ネットワークについての最新情報のカタログとしてはおもしろいが、ビジネスとして成り立たせる戦略は書かれていない。「Web2.0バブル」も終わってみると、黒字になったサービスはほとんどない。むしろ普通の企業の広報ツールと考えたほうがいいだろう。それにしても、この邦題じゃ何のだかわからない。

  • B-CASの違法性について - 池田信夫 blog

    ASCII.jpの記事について各社から問い合わせがあったので、補足しておく。情報源は明かせないが、この内容は一次情報にもとづくものである。AV Watchの記事でも、「B-CAS見直しについては、法律などによる著作権保護の制度エンフォースメントについても議論されていたが、村井委員長は技術と契約によるエンフォースメントを基としながら、見直しを図っていく方針を示した」と書かれている。「霞ヶ関文学」独特のわかりにくい表現だが、「著作権保護のエンフォースメント」とはダビング10のことだ。 B-CASは来の限定受信システムとしてではなく、コピー制御に使われる末転倒になっている。コピー制御のためなら視聴者の個人情報をコントロールするB-CASは必要ないが、B-CASによる暗号化をやめると、コピー制御信号が無視できるようになる。このためダビング10を法的に義務づけてほしい、というのが放送業界の要

  • 公文俊平という偽善者 - 池田信夫 blog

    MIAUなどのネット規制法案に反対する共同声明に、公文俊平が署名している。彼は、いったいどの面さげて「インターネットの言論の自由」を語っているのか。4年前、メーリングリストでの発言を理由にして3人の研究員を「解雇する」と通告し、訴訟を起されて結局、解雇を撤回し、給与を支払わされて恥をかいたことを忘れたのか。 そのとき彼の暴挙に怒った国際大学特別顧問、中山素平氏は公文を国際大学グローコム所長から解任した。中山氏が故人となった今、これは貴重な歴史的記録なので、以下に一部、引用しておく。 前略 用件のみ申し上げます。 貴兄が昨年の10月末頃と記憶しますが来訪され、新年度からグローコム所長を退任されたい旨、申し出がありました。私は所長の実務は若い者に任せるべきと申し上げ、貴兄はこれを了承されました。 その後、西、池田、山田3氏同席の上、私が彼らの性格・適性を知っておりますので、3人それぞれの

  • MIAU「後見人」になった公文俊平の正体 - 池田信夫 blog

    私はMIAUの「賛同人」の1人だったが、今度MIAUが中間法人として発足するに際して「後見人」に公文俊平が就任するという通知があったので、「公文を後見人にするような組織とは縁を切る」とメーリングリストで告げ、幹部には彼が犯罪に関与した容疑を具体的に明らかにした上で、木曜までに回答するよう求めた。しかし今日に至るまで何の回答もないので、予告どおり事実関係を以下に明らかにする: 東京地検特捜部は2004年、公文が所長をつとめていた国際大学GLOCOMを贈賄および背任の容疑で捜査した。事件は多岐にわたるが、もっとも重要なのは、経済産業省の「デジタルニューディール」という総額20億円以上の研究プロジェクトをGLOCOMが受注するため、金子奉義なる人物に1000万円を渡した事実である。金子は、防衛省汚職で逮捕された秋山直紀と並んで「政界のフィクサー」として知られ、防衛省の守屋元事務次官と山田洋行の

  • インターネットはいかに知の秩序を変えるか? - 池田信夫 blog

    前に紹介した「グーグルでバカになる?」の逆に、書物のように知識を系統的に整理するのは近代社会の特殊な秩序で、情報の爆発によって分類は破綻し、すべてはその他(miscellaneous)になると主張する。それ以上、深い思想が書かれているわけではないが、ちょっとしたヒントにはなるかもしれない。 たとえば今、私は(共著)1冊と学術論文の査読1と雑誌原稿2とウェブのコラム1を抱えているが、活字メディアは効率が悪い。雑誌原稿を書くときのエネルギーの半分近くは、所定の字数に収めることに費やされるが、ウェブはアバウトでいいからだ。はもっと大変で、共著となると1年は優にかかる。 『カラマーゾフの兄弟』を人類の最高の成果と考えるような人にとっては、グーグルはそういう「大思想」を滅ぼす元凶だろう。しかし世の中に『カラ兄』を最後まで読んだ人が何人いるだろうか(私は高校生のころ読んだが今はとても読

  • FirefoxがIEを抜いた - 池田信夫 blog

    gooブログのアクセス解析では、アクセスしてくるブラウザの種類もわかるのだが、当ブログでは今月に入ってMozilla(Firefox)がIEを逆転し、最近は毎日トップだ。ただIEは6.xと7.xに票が割れているので、合計するとIEのほうが多いが、それでも多いときはMozillaが45%ぐらいになる。 Webmonkeyによれば、この傾向はウェブ全体でもみられるらしく、この調子で行くと、1年後にはFirefoxがIEを抜くという。ただCNETによれば、これはtechieだけの特徴で、普通のサイトではFirefoxは30%にもならない。それでも、数年前には数%だったのだから大躍進だ。 私は両方使っているから公平にいうと、Firefoxのほうがずっと使いやすいので、IEはほとんど使わない。特にFirefox3.0になって画像の表示が速くなり、タブが使いやすい(というかIEのタブのデザインが悪

  • ホワイトスペース:電波の90%以上は空いている - 池田信夫 blog

    表の空白の部分が、放送局に割り当てられながら使われていないホワイトスペースである。携帯電話業者が見たら目まいのするような超低利用率で、全40チャンネル(13〜52)×10エリアの1割も使われていない。上瀬氏の「真っ赤に埋まっている」とかいう話は、真っ赤な嘘である。たとえば水戸をみればわかるように、そもそも7チャンネルしかテレビ局がないのだから、今後どんなに中継局を増やしても、40チャンネルを真っ赤に埋められるはずがない。 このように(独立系U局を含めても)全国で40チャンネルのうち、たかだか10チャンネルしか使っていないのだから、テレビの電波は任意の地点で30チャンネル以上(ほぼ200MHz)空いているのである。これは非常に大きな帯域で、今のすべての携帯電話業者がほとんどすっぽり収容でき、オークションにかければ2兆円以上の価値がある。このホワイトスペースをWiMAXなどの無線ブロードバン

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