新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、政府は7日、首都圏の1都3県を対象に緊急事態宣言の再発令を決めた。「遅きに失した」「対応が後手後手」という批判は、すでに聞き飽きるほど出ているので、ここで繰り返すことはしない。ただ、この問題は考えれば考えるほど、どんどん意味が分からなくなってくる。これは本当に「緊急事態宣言」なのだろうか。(ジャーナリスト=尾中香尚里) ▽「Gotoイート」打ち出していたのに まず驚いたのは、今回の宣言が「飲食店の営業時間短縮」をターゲットにしたことだ。菅義偉首相は、緊急事態宣言の再発令を表明した4日の記者会見で、緊急事態宣言の必要性についてこう述べた。 「経路不明の感染原因の多くは飲食によるものと、専門家が指摘いたしております。飲食でのリスクを抑えることが重要です。そのため、夜の会合を控え、飲食店の時間短縮にご協力いただくことが最も有効ということであります」 わずか半