~前編までのあらすじ~ ネットを検索していたら、大好きな祖父と同じ名前の男「加藤文吉」が、昭和二十六年に贈賄容疑で逮捕されていたことが判明した。状況と記憶から判断するに、じいちゃんであるとも、じいちゃんでないとも言える状況である。ことの真偽をはっきりさせるため、僕は一路、報道されたという昭和二十六年十一月十五日の新聞を捜しに図書館へと向かった。 ------------------------------ 祖父は明治43年、西暦に直すと1910年生まれだから、昭和26年である1951年には41歳になっているはずである。新聞には普通、容疑者の年齢は載っているので、その男が41歳であるならば、非常に高い確率で祖父であるということができる。 僕は図書館一階の、新聞バックナンバーコーナーに向かい、昭和二十六年十一月十五日の新聞を捜した。 こなへんかな…… ここだ! 間違いない。 で、発見しました!