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ブックマーク / globe.asahi.com (18)

  • 「女を修理する男」はコンゴを修理できるか 大統領選に出馬したムクウェゲ医師の挑戦:朝日新聞GLOBE+

    コンゴ民主共和国大統領選への立候補を表明後、国旗を体に巻いたノーベル平和賞受賞者のデニ・ムクウェゲ医師=2023年10月2日、コンゴの首都キンシャサ、ロイター ムクウェゲ医師が抱く危機感 「この国は地図から消える危険性がある」 2023年10月2日、ノーベル平和賞受賞者のデニ・ムクウェゲ医師は、同年12月のコンゴ大統領選挙に立候補すると表明した際に、そのように述べた。 続けて、医師はこう発言した。この国が「腐敗した」支配階級の手中にあり、「大陸の恥であり、世界の笑い物となり」、そして「分断の脅威にさらされている」。 しかし「我々はこの悲惨な状況を止めることができる」。 その後、医師は「戦争に終結を、飢えに終結を、悪徳に終結を」(end of war, end of famine, end of vice) というスローガンを発表し、それを選挙キャンペーンのポスターに用いている。 ノーベル平

    「女を修理する男」はコンゴを修理できるか 大統領選に出馬したムクウェゲ医師の挑戦:朝日新聞GLOBE+
  • 【小泉悠】元大使の一本の電話、道を開く 目指すは「オタク」を束ねるプロジェクト:朝日新聞GLOBE+

    突然かかってきた電話の主は、元ウズベキスタン大使の河東哲夫さんだった。 河東さんは、外務省を辞めて評論家として活動していた。面識はなかったが、小泉さんが軍事雑誌に書くものを読んでいた。 「彼には、事実関係を丹念に拾い出すだけでなく、それが意味することを概念化する力があった。他の著者とはちょっと違っていたんです」 「一度、会って話さないか」と河東さんに誘われ、都内のホテルで事をした。 「大学ではアカデミックな研究が出来なかった」と打ち明けた小泉さんに、河東さんは言った。「アカデミックではない研究をやればいいじゃないか」 そうか、大学でなくても研究はできるはずだ。ニッチなことをやれば仕事の需要はあるのかもしれない、と思うようになった。 2018年にパリの武器展示会「ユーロサトリ」で=人提供 2009年、河東さんの推薦で外務省国際情報統括官組織の専門分析員になった。ロシアの軍事関係の分析レポ

    【小泉悠】元大使の一本の電話、道を開く 目指すは「オタク」を束ねるプロジェクト:朝日新聞GLOBE+
  • 【小泉悠】研究者は挫折、就活はことごとく失敗 無職で気づいた自分の天職:朝日新聞GLOBE+

    小泉悠さんにとって、夏は一つの思い出がよみがえる季節だ。 毎日のように通っていた図書館のある市民センターの2階で、母親が有志と原爆展を開くのだ。 両親は、二人とも反核・反戦運動に熱心だった。母親らが主催していた夏の原爆展では、小泉さんも投下直後の悲惨な写真を毎年見ていた。 『風が吹くとき』『トビウオのぼうやはびょうきです』……。当時読んだ原爆をテーマにした児童書の題名は、いまでもいくつもそらんじられるほど。その恐ろしさは、深く脳裏に刻まれた。 母親らが原爆展をしている階下の図書館で、息子は軍事も、読みあさっていた。自衛隊員と遊んでいることも、親は快く思わなかった。 「両親とはさんざんもめました」 だが、両親との確執は、独特のバランス感覚とさまざまな素養を養うことにもなった。 意見の異なる相手にどう耳を傾け、どうしたら納得してもらえるのか。自分のやっていることを両親に説明しようと必死で考え

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  • 【小泉悠】「いいところなし」の少年に、「細部から全体像を描く」を教えてくれた人:朝日新聞GLOBE+

    手元に置いた携帯電話がひっきりなしに鳴っている。ほとんどが取材依頼だという。2月24日のロシアによるウクライナ侵攻後、時の人になった。 引っ張りだこになるのには訳がある。相手に目線を合わせつつ、複雑な事象をわかりやすく説明する力。ロシアにもウクライナにもくみせず、膨大な軍事情報をつないで全体像を描き出す分析力。 「彼は言葉の力で一種の社会現象を起こしている」。そう話すのは、2019年、小泉さんを東大先端科学技術研究センター(先端研)に誘った先端研教授の池内恵さんだ。 「彼が話すと議論が整理されていくんです。いろんな人が投げた球を一つずつ拾い、それに答えつつまとめるという、非常に高度なことをやっている」。だが、人気の理由は、明晰さだけではなさそうだ。ときおり垣間見せるユーモアや、硬軟とりまぜた引き出しの多さ。自ら「軍事オタク」ぶりを見せて、楽しんでいるふしもある。 東京大学先端科学技術研究セ

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  • 「置かれた場所で咲きなさい」と言うリーダーは無責任 必要なのは「便所のネズミ」話:朝日新聞GLOBE+

    『置かれた場所で咲きなさい』という、累計200万部の国民的ベストセラーになった1冊のがある。 修道女でもある故・渡辺和子さんが2012年に著した作品で、宣教師から渡された 「Bloom where God has planted you(神が植えたところで咲きなさい)」 というメモに救われた体験を元にした、自叙伝的なエッセイである。 ” 置かれたところこそが、今のあなたの居場所なのです” という印象的な言葉とともに紡がれる文章は美しく、多くの悩める人を勇気づけたのだろう。 ネット上での書籍レビューは概ね高評価で、多くの人に愛される理由の一端を垣間見ることができる。 渡辺和子さんのベストセラー『置かれた場所で咲きなさい』(幻冬舎) しかし私は、誰かをエンカレッジする時に正直、この言葉をとても使う気にはなれない。 さらにいえば、この言葉は無責任であり卑怯であるとすら思っている。 国民的な大

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  • 日本の高専、いま世界で「KOSEN」に 超高倍率を突破した海外の「エリート」たち:朝日新聞GLOBE+

    バンコク市街から東へ約30キロ。東南アジアのハブ空港のひとつ、スワンナプーム国際空港の近くに、緑に囲まれ、小池が点在するキャンパスがある。 多くのエンジニアを輩出し、タイの経済発展の一翼を担ってきた国立キングモンクット工科大学ラカバン校(KMITL)。東京ドーム30個分にもなる広大な敷地に、「KOSENーKMITL」の表示をつけた校舎を見つけた。 日には、中学校を卒業した若者を5年間の一貫教育で、大学の工学部レベルの専門知識を持つ技術者に育てる「高等専門学校(高専)」という、世界でもまれな教育システムがある。 「KOSEN-KMITL」は、日の高専とほぼ同じカリキュラムを取り入れ、日から10人の教員が派遣されている。開校して4年目。来年度には、敷地内に専用の校舎ができる。 タイ高専のコムサン・マーリーシー校長=バンコク、織田一撮影 2月末、この「タイ高専」を訪ねた。 「二酸化炭素が増

    日本の高専、いま世界で「KOSEN」に 超高倍率を突破した海外の「エリート」たち:朝日新聞GLOBE+
  • 銀河英雄伝説の田中芳樹さん「ナンバー2は綱渡り」 オーベルシュタインの不要論語る:朝日新聞GLOBE+

    業界の首位と2位は単純に言えば競い合うだけの関係ですが、同じ組織のトップとナンバー2となると、支えもすれば競いもする複雑な人間模様を描きます。 最初の出版から今年で40年、2度目のアニメ化が進み、国境も世代も越えて読み継がれているSF小説の大作「銀河英雄伝説」(銀英伝)では、その序盤、異彩を放つ登場人物がトップに「ナンバー2不要論」を具申します。「組織にナンバー2は必要ありません。無能なら無能なりに、有能なら有能なりに、組織をそこねます」――。 この発言は物語の展開を大きく変え、多くの銀英伝ファンの心を揺さぶることになるのですが、著者の田中芳樹さんはこの発言にどんな思いを込めていたのでしょうか。(大牟田透) 「銀河英雄伝説」のオーベルシュタインが唱える「ナンバー2不要論」を語る田中芳樹さん 銀英伝は、銀河帝国のラインハルト、自由惑星同盟のヤンという2人の若い戦略家の攻防を軸に描かれた壮大な

    銀河英雄伝説の田中芳樹さん「ナンバー2は綱渡り」 オーベルシュタインの不要論語る:朝日新聞GLOBE+
  • 銀河英雄伝説の田中芳樹さん、民主主義を語る「しんどくて面倒な制度ですね」:朝日新聞GLOBE+

    田中芳樹さんの小説「銀河英雄伝説」は、私にとって民主主義の「入門書」とも言える存在だ。 遠い未来の宇宙を舞台に、専制政治の銀河帝国と民主共和制の自由惑星同盟の対立を描くこの作品は、両陣営の名将たちが知略を尽くして艦隊戦を繰り広げるさまが醍醐味だが、腐敗した民主主義と、善政を敷く独裁制のどちらがいいのかという究極の問いを突きつけてくる。 高校生のころ、民主主義という言葉は知っていたものの、それ以上ではなかった自分にとって、この作品は衝撃で、全10巻と外伝4巻を徹夜しながら読みふけった。 田中芳樹さんの原作をもとに製作されたアニメ「銀河英雄伝説」。主人公のラインハルト(右)とヤン・ウェンリー=©田中芳樹・徳間書店・徳間ジャパンコミュニケーションズ・らいとすたっふ・サントリー ©加藤直之 そして今から10年前の2012年5月。田中さんにインタビューする機会を得た。私は当時、モスクワ特派員で、プー

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  • 年配社員をリストラすれば企業は強くなるのか? 優秀人材から解雇した八田與一の教え:朝日新聞GLOBE+

    2010年頃の話だが、ある台湾の大手部品メーカーを訪れた時の話だ。 「どうぞリラックスして、日語でお話下さい」と、日名が記された名刺を渡されたことがある。肩書きは技術担当の副総経理(副社長)と、相当な重職だ。 台湾では誰もが知るような有名上場企業なのに、なぜ日人がこんな要職に就いているのか。 驚き戸惑いながら名刺交換し着席すると、程なくして董事長(会長:CEO)も入室し、人懐こい笑顔で語りかけてきた。 「ようこそ、はるか日からよくお越し下さいました」 その日語は淀みなく、発音を含めて全く違和感がない。そんな驚きが顔色に出ていたのか、董事長は自己紹介を兼ねて話し始めた。 「日語は松下幸之助の著書で覚えました。翻訳では彼の当のメッセージがわからないので、原著を取り寄せ読んでいるうちに覚えたんです」 「正直、驚きました。しかし発音はどこで身につけられたのですか?日に留学されてい

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  • 「私は死んだのですか」運転手に聞いたタクシー客 被災地と幽霊の深い関係:朝日新聞GLOBE+

    「災害はこちらから呼んで来るものではなく、向こうから突然来るもの。被災者と接するうちに、死者との関係性を置き去りにしたままでは震災を記録できないのではないかと考えるようになった」。関西学院大の金菱清教授(45)はそう説明する。1995年に阪神・淡路大震災を経験し、「強い印象が残っていたが、個人の身の丈にあった体験の記録が少ない」と感じていた。2011年の東日大震災では、東北学院大の准教授(14年から教授)として、「震災をしっかり記録におさめよう」と調査・研究に取り組んだ。 ゼミの学生とともにまとめた『呼び覚まされる霊性の震災学』は、幽霊の目撃談で注目を集めた。学生が宮城県石巻市のタクシー運転手に幽霊現象について聞き取りを繰り返すと、こんな話があった。 『呼び覚まされる霊性の震災学』(新曜社) 震災から3カ月ほどたった初夏の深夜、石巻駅周辺で真冬のコートを着た30代ぐらいの女性が乗車してき

    「私は死んだのですか」運転手に聞いたタクシー客 被災地と幽霊の深い関係:朝日新聞GLOBE+
  • デジタルネイティブ小学生の対応力がすごい 新型コロナによるシリコンバレーの「学校閉鎖」:朝日新聞GLOBE+

    安倍晋三首相が、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため3月2日から春休みの終わる4月初旬まで学校を閉鎖するよう要請してから遅れること2週間。サンフランシスコ・シリコンバレーの多くの学校でも3月16日の月曜日から学校閉鎖になりました。 「感染拡大を防ぐために3月の最初の1、2週間が極めて重要な時期、なので学校閉鎖を要望します」という記者会見を首相官邸のInstagramで見たときは、思い切った措置と驚きましたし、日にいる子育て中共働きファミリーの友人たちの顔が浮かびました。が、いよいよこちらも対岸の火事ではなくなったのです。 私の子供が通学する公立の小学校では、学校閉鎖が始まった初日の月曜日と次の日の火曜日を準備期間に費やし、水曜日からグーグル社が無料提供しているソフト「グーグルクラスルーム」を利用したオンラインラーニングが直ちに始まりました。 まず朝の9時までに出欠記入用のシートに書き込

    デジタルネイティブ小学生の対応力がすごい 新型コロナによるシリコンバレーの「学校閉鎖」:朝日新聞GLOBE+
  • サウジ石油施設攻撃で注目集める軍事ドローン 突出する中国、日本は「超後進国」:朝日新聞GLOBE+

    攻撃を受け炎上するサウジアラビアの石油施設。SNSに投稿された動画から(2019年9月14日)=ロイター ドローン先進国の中国 フーシはもちろんのこと、イラン軍(共和国軍、革命防衛隊)といえども、通常の航空戦力ではアメリカ軍に対抗することなど不可能である。しかしながら攻撃主体がフーシであれイランであれ、兵器としては安価といえるドローンは、アメリカ軍や高額なアメリカ製装備で身を固めた同盟国への非対称戦で極めて有効なことが今回、示された。 イラン軍が各種ドローンを取りそろえていることは確かであるが、何といってもドローン分野で突出しつつあるのは、中国人民解放軍である。中国軍が戦力を強化しつつあるドローンは、無人航空機(UAV:無人偵察機、無人攻撃機、無人戦闘機など)にとどまらず、無人水上艦艇(USV)、無人水中艦艇(UUV)それに無人車両(UGV)など、あらゆる軍事分野に及ぶ。イラン軍と中国軍を

    サウジ石油施設攻撃で注目集める軍事ドローン 突出する中国、日本は「超後進国」:朝日新聞GLOBE+
  • ソレイマニ司令官殺害と米イラン関係の行方:朝日新聞GLOBE+

    2020年が始まって3日しか経っていないが、いきなり今年最大級のニュースが飛び込んできた。トランプ大統領の命令の下、バグダッド空港近くにいたイランの革命防衛隊クッズ部隊(Quds Force:コッズ部隊、クドス部隊、ゴドス部隊などとも表記する)司令官のソレイマニと、イラクの親イランシーア派民兵組織であるカタイブ・ヒズボラの指導者であり、イラクのシーア派民兵の連合体である人民動員隊(PMU)の副司令官であるムハンディスが殺害された。バグダッド空港には米軍の施設もあり、カタイブ・ヒズボラがミサイル攻撃を仕掛けている中で、ドローンによる攻撃でソレイマニとムハンディスが殺された。イランウォッチャーはもちろんのこと、欧米の国際政治の専門家たちは一斉にこのニュースに反応し、今後の中東情勢の見通しが立たなくなり、イランとアメリカの対立が急速にエスカレートしていくことの不安に包まれた状態にある。 現時点で

    ソレイマニ司令官殺害と米イラン関係の行方:朝日新聞GLOBE+
  • 差別を見抜けなかった私 スタンフォード大が教えてくれたこと:朝日新聞GLOBE+

    私の3人の息子の誕生日は、10月と11月に集中しています。 今年は私が3人が住んでいるアメリカに行って、一緒にお祝いをしました。 集まった夜に、三男が、スタンフォード大学で取り組んでいる哲学論文の話をはじめました。 彼の課題はイギリスの哲学者、ジョン・ロックの理論でした。 「人間はみんな自由で、平等で同じ権利の持ち主」とジョン・ロックは主張しています。 教授が論じて欲しいと求めているのは、「国という体制の中で、個人の平等と自由は守られるのか?」という問題でした。 私の理解では、ジョン・ロックは「国という共同体に参加する時は、一定の自由と権利はその体制に預け、その代わりに守ってもらう」という見解の持ち主です。 歴史を振り返ると、ジョン・ロックの思想に基づいて国づくりをしていた人々は、女性に選挙権を与えず、財産のある人や納税者にしか投票をさせなかった。また黒人を人間として認めなかった。決して平

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  • 人間が深層学習のAIを理解できないのには、理由がある:朝日新聞GLOBE+

    【特集】「『予測』という名の欲望」全記事はこちらから読めます ■人間にはAIの考えが分からない? ――ディープラーニングは、大量の「教師データ」を読み込み、入力する変数と、出力する変数との間の関係を見つけ出します。その関係が分かれば、新たなデータを入力したとき、出力が予測できるというわけですが、なぜ人間はそのプロセスを理解できないのでしょうか? おもにふたつの要因があります。質的なものと、量的なものです。量的な問題は、すごくシンプルです。ディープラーニングの内部で動くパラメータ(母数:システムの内部で動く情報)が多すぎるので、その大量・複雑なデータを人間の直感につなげることが難しい、という話です。最近は、多いものでは1億個を超えるパラメータから出力を予測します。じゃあ、その1億個をざっと人間が見てなにか分かるのかといえば、分からない。これが基的に起こることです。 ――大量の変数という意味

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  • GHQだけではなかった「漢字廃止論」 いま、漢字を使い続ける意味を考える:朝日新聞GLOBE+

    京都・祇園にある八坂神社の周辺は、着物姿の女性が目立つ。派手な柄の着物はレンタルショップで借りる人が多く、中国からの観光客が特に多いのだという。 その八坂神社のそばに「漢字ミュージアム」(漢検漢字博物館・図書館)がある。年200万人以上が受験する「漢検」の日漢字能力検定協会が、2016年に開設した。2階建ての館内を歩くと、漢字やひらがな、カタカナがどうやって使われるように至ったのか、その歴史がすっと頭に入ってくる。 見学して特に興味深かったのは、日を占領したGHQ(連合国軍総司令部)が、漢字を廃止しようとした経緯である。GHQの要請で米国から派遣された「アメリカ教育使節団」(大学の学長、教授、教育行政官ら27人)は、日語をローマ字表記にして、漢字習得にかける勉強時間を外国語や数学の学習にあてるべきだと考えた。1946年に「アメリカ教育使節団報告書」を発表している。(邦訳は講談社学術文

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  • 社会の「成功の物差し」変わらないなら、学校の多様性は格差を生むだけだ:朝日新聞GLOBE+

    アメリカでの経験から日教育のあり方に警鐘を鳴らす鈴木大裕氏。現在町議をつとめる高知県土佐町で=市川美亜子撮影 ――なぜ16歳で米国留学を決めたのですか。 高校では友達も多く、学校生活を楽しんでいたんですが、ある時ふと、「このまま高3になったら受験をして、そこそこの大学に入って、サラリーマンになるんだろうな……」と自分の将来が見えてしまったんです。自由で活気あるアメリカ教育のイメージに憧れもあったと思います。実際に米国に行って、生まれて初めて自分が「学んでいる」と感じました。用意された答えではなく、生徒一人ひとりの真実と向き合う素晴らしい先生に出会い、毎晩のように先生から返された作文を書き直しながら「今まで自分が受けてきた日教育はなんだったんだろう」と考えるようになり、日教育について疑問を持つようになりました。だから米国で大学院に進学し教育学を学び、日教育現場に立とうと考え

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  • 中国はラオスでいったい何をしているんですか? 中国が造る鉄道とは:朝日新聞GLOBE+

    中国国境のボーテンと首都ビエンチャンを結ぶ鉄道(約410キロ)のトンネル。全線で75もの数が掘られている=2019年2月22日、ラオス・ルアンプラバン郊外、吉岡桂子撮影 中国が敷く「初めて」の鉄路 世界遺産の町にも駅 バンコクからタイ航空のジェット機で1時間半。まるごとユネスコの世界遺産に登録されている町、ルアンプラバンに飛んだ。着陸が近づくと土色にうねるメコン河が見える。村上春樹さんが紀行文で「街そのものより、街外れにある飛行場の方がたぶん大きいだろう」と書いた空港は、中国政府の援助で拡張されたものだ。赤橙の屋根がつつましく並ぶ中心部をしのぐほど広い。降りてみると、隣に中国の海南航空機がとまっている。深圳から来た便だ。中国とは雲南省・昆明や景洪、湖南省・長沙、海南島などとも直行便で結ばれている。 世界遺産の町への玄関口、ルアンプラバンの空港。中国が拡張を支援した=2019年2月21日、ラ

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