パズルのピースがピタッと合うときのような快感が病みつきになる警察小説。原作がドラマ化・映画化されることが多く、それだけ人気が高く、裾野の広いジャンルであると言えるだろう。本稿では、警察小説ビギナーに向けて全シリーズ一気読みしたくなるほど中毒性の高いおすすめ作品をご紹介したい。 ■ミショウを舞台に特殊能力「SPEC」をもつ犯罪者に立ち向かえ! まず1つ目が「SPEC」シリーズ(西荻弓絵:脚本、豊田美加:ノベライズ/ KADOKAWA)だ。本作品は戸田恵梨香・加瀬亮のW主演でお茶の間を賑わせ、ブームを巻き起こした。 物語は通常では捜査の対象にはならない“特殊”な事件を取り扱う、警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係、通称ミショウが舞台。そこに所属する奇妙な女性捜査官・当麻と、とある事件がきっかけでミショウに左遷されてきた敏腕刑事・瀬文が、通常の人間の能力や常識では計り知れない特殊能力「SPE