ストレスや不安から、便秘や下痢、腹痛などを起こしたことのある人は多いだろう。これは、脳が受け取ったストレスや不安という情報が脳から腸に伝わり、腸の機能に影響が出るためだ。 そして近年はその逆方向の、腸から脳への影響もあることがわかってきた。ストレスを受けると腸内細菌叢(そう=フローラ)が変化し、それが脳へと伝えられ、脳の機能に影響を与えるというのだ。うつ病などの精神疾患の発症要因となる可能性も報告されている。 こうした関係を「脳腸相関」といい、近年多くの研究が発表されている。腸内細菌叢の変化、とくに代表的な善玉菌の一つであるビフィズス菌の減少が、うつ病に関連することが知られている。そのため、これまでに“生きた”ビフィズス菌が抗ストレス効果をもたらすことが報告されている。 藤田医科大学大学院保健学研究科レギュラトリーサイエンス分野の毛利彰宏准教授は國澤和生助教、小菅愛加大学院生らとともに生き