8年前に廃止されたJR可部線の可部―旧河戸(こうど)間(広島市安佐北区)約2キロの電化延伸をめぐり、広島市とJR西日本の協議が難航している。最大の課題は、両駅間にある5か所の踏切だ。延伸部分の踏切の再利用は、「新設扱い」となるため原則認められず、JR側も安全面から廃止を望む。一方、市は横断する市道が分断されると地域住民の生活に支障が出るため、「踏切はできる限り残したい」と意見が食い違っている。解決策はあるのか。 (薮上遼介) 現在の可部線は横川―可部の約14キロ。延伸は、2003年11月末に廃止された未電化区間の可部―旧三段峡(安芸太田町)46・2キロの一部。JRは1日平均約2000人の利用を見込み、廃止路線の復活は全国で初のケースとなる。 市とJRなど交通事業者は08年、「JR可部線活性化協議会」を結成。旧河戸駅周辺は商業施設や宅地開発などが進み、昨年2月、沿線住民の声を受けて電化延伸案