愛知県日進市でほうろう加工業を営んでいた「メイコウアドヴァンス」の社員原田孝幸さん=当時(52)=が平成21年に自殺したのは社長らによる日常的なパワーハラスメントが原因だとして、遺族が損害賠償を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁は15日、パワハラと自殺の因果関係を認め、社長と会社に計約5400万円の支払いを命じた。 田辺浩典裁判長は判決理由で「社長による暴言や退職強要は原田さんを威迫し、激しい不安に陥れた」と指摘した。 判決によると、原田さんは仕事でミスをすると、社長に「ばかやろう」と暴言を吐かれたり、蹴られたりすると07年夏ごろから妻に打ち明けるようになった。自殺直前も社長に蹴られてけがをした。09年1月、「仕事に行っても同じ失敗を繰り返す」と遺書を書いて自殺した。