保育園児や小学生の間で、頭に寄生するアタマジラミの感染が広がりつつある。繁殖力が強く、感染すると強いかゆみを生じる。シラミを知らない親が増え、発見と対処が遅れているのが感染拡大の一因とみられ、幼い子のいる家庭では注意したい。(矢子奈穂) 東京都内の母親は5月下旬、保育園に通う長男(5)にアタマジラミが見つかり衝撃を受けた。「頭がかゆいと言っていたけど、まさかシラミとは思わなかった」。慌てて長男と次男(2)の髪を丸刈りにして確認すると、成虫とフケのように小さな白い卵を見つけ、つまみ取った。 埼玉県内の保育園では5月下旬から今月にかけて、園児7人が感染。保育士が毎日、園児の頭をチェックし、アタマジラミの成虫や卵がないか、確認している。アタマジラミの寿命は約1か月で、100個前後の卵を産む。繁殖力が強く、駆除は一苦労だ。しかも清潔にしていても頭と頭が接触するだけで簡単に感染するため、園長(5