特別寄稿 エッセー JOGMEC特命参与 iwama-satoshi@jogmec.go.jp 岩間 敏 戦争と石油(1) ∼太平洋戦争編∼ 平成17年は太平洋戦争の敗戦60年目で、戦争を再度検証するために多くの出版物が発行された。以前か らの専門書・文献に加え、数多くの優れた単行本、新書、文庫本が出され新しい分析・見解が現れている。 太平洋戦争は日本の弱点であった資源、特に石油を求めて日本が始め、戦い、敗れた最初の総力戦であり、 本稿は視点をこの石油に置いた。 「米国が石油禁輸を実施し、日本は石油資源を求め開戦に至った」との 説が一般的であるが、 「米国の石油禁輸の結果、本当に日本はやむにやまれず戦争に走ったのか」「戦争 、 に反対であった海軍は陸軍に引きずられ真珠湾を攻撃したのか」「南方資源(特に石油)は順調に日本に 、 到着したのか」「石油供給の安定は確保出来、持久体制は構築