Featherweight Java のための漸進的型付け 伊奈 林太郎 1 五十嵐 淳 2 1 京都大学 工学部情報学科 ina@kuis.kyoto-u.ac.jp 2 京都大学 大学院情報学研究科 igarashi@kuis.kyoto-u.ac.jp 概 要 静的型システムと動的型システムの両者の利点を活かす枠組みとして, Siek と Taha は漸進的型付 けを提唱している. 漸進的型付けでは, 型宣言された部分のみ静的型検査が行なわれ, 残りの部分について は実行時検査が行なわれる. これにより, 当初型を付けずに書いたプログラムに型宣言を徐々に付加し, 静 的型付けされたプログラムを完成させることができる. 本研究では, 漸進的型付けをクラスに基づくオブ ジェクト指向言語で実現する理論的基盤として, Igarashi, Pierce, Wadler らの計算体系 Feat